シラバス - 音楽科教育研究(2)
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- ナンバリングコードCode
- CHI-con3-239
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- 科目名Subject Name
- 音楽科教育研究(2)
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- 担当者名Instructor
- 渡邊 均(実務家)
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- 単位Credit
- 2
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- 履修年次Standard Year for Registration
- 3-4
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- 学期Semester
- 後期
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- クラスClass
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- 曜限Day/Period
- 金曜4時限
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- 教室Classroom
- 5-501
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- 授業形態Course Type
- 講義・演習
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- メディア授業Distance Learning Course
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- 備考Remarks
- 音楽科指導法(2)
使用言語:日本語
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- 実務経験のある教員等による授業科目Taught by instructor(s) with practical experience
- 〇
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- 学内単位互換科目としての受講可否Availability for inter-departmental credit transfer
- 不可
授業の到達目標Objectives to be Attained
SEQ 1
- DP観点 / Diploma Policy
Target Category - A(知識・技能)
- 小学校音楽科をめぐる以下の内容に関する基本的知識を習得し、説明することができる。
◯これまでの小学校音楽科教育の歴史的変遷、及び現状における法的根拠、学習指導要領の内容について
◯学習指導要領における目標・内容、そして各学校における教育課程の編成、学習指導計画の策定(カリキュラム・マネジメント)について
◯題材設定、教科の指導内容、学習指導案及び評価計画の作成について
◯児童の音楽的成長及び発達について
◯ICT環境を含む道具・楽器の活用等について
SEQ 2
- DP観点 / Diploma Policy
Target Category - B(思考力・判断力・表現力等)
- 下記項目に関して丁寧に検討し、実践的なコンテクスト(学習指導案の作成や模擬授業)の中で指導者としての創意工夫を表現することができる。
◯学習指導要領における目標・内容、そして各学校における教育課程の編成、学習指導計画の策定(カリキュラム・マネジメント)について
◯題材設定、教科の指導内容、学習指導案及び評価計画の作成について
◯児童の音楽的成長及び発達について
◯ICT環境を含む道具・楽器の活用等について
授業の概要Course Overview
小学校における音楽科教育は、様々な音楽経験を通し、音楽的・人間的成長を実現する過程である。歌唱や器楽あるいは音楽づくりなどの表現活動や、多様な音楽の鑑賞活動を通して、音楽的な見方・考え方を働かせ,生活や社 会の中の音や音楽と豊かに関わる資質・能力を次のように育成することを目指している。
(1) 曲想と音楽の構造などとの関わりについて理解するとともに,表したい音楽表現をするために必要な技能を身に付けるようにする。
(2) 音楽表現を工夫することや,音楽を味わって聴くことができるようにする。
(3) 音楽活動の楽しさを体験することを通して,音楽を愛好する心情と音楽 に対する感性を育むとともに,音楽に親しむ態度を養い,豊かな情操を培う。
小学校6年間の教育の過程における指導法の基礎をそれまでの幼児教育やその後の中等教育における発達・成長を視野に入れながら学んでいく。上述した到達目標の一つ目に関連する事項については歴史的・理論的に学ぶが、二つ目以降、学習をより主体的に深化・拡充するために、取り扱う教科内容(音楽)に関しては実際に演奏したり聴いたりすることを通して、そして、題材設定及び学習指導の設計・評価に関しては「逆思考による設計(UbD)」によって音楽学習の本質に迫るプロジェクト型の演習(模擬授業への取組)を行い、音楽の学習指導に対する興味・関心を深めていきたい。演習を進めるにあたっては、共通教材曲など実際に用いられる教材曲に比重を置いて内容の理解を深めると同時に、豊富な授業実践事例の分析に立脚して模擬授業を設計・実施するなど、実践現場を想定してより効果的な指導法の習得(優れた授業構成の考え方・指導法の共有)が進むように重点をおく。
なお、音楽科においては教科内容とICTツールとの親和性により従来からデジタル・オーディオ・ワークステーション(以下「DAW」:音楽シミュレーション・アプリケーション)の活用が進んでいる。また、処理速度の向上によりもたらされた映像処理プログラムの活用との結びつけによって、音楽づくりに本質的に含まれているプログラミング的思考がICTツールの作業空間に対象化され、児童の学びに利する補助的な環境となっている。利用目的に応じたICT環境の活用に関して、現状の利用法の具体例を伴いながら概念上の潜在的可能性について学ぶこととしたい。
遠隔授業となる場合には、主に Moodle 及び電子メールを用いたオンデマンド型コースとなる。
本講義の担当者は、研究・教員養成を実務とする国立大学附属校における教科「音楽」担当教諭としての経験を含む実務家教員である。研究的な内容のみならず、現実の教科経営における制約条件を考慮しながら実務的視点から教科指導の方法にアプローチする。
事前・事後学習、時間等Study Required outside Class(Preparation, etc.)
本科目は演習科目である。授業回毎に以下、4時間相当の自主学習を求める学習内容となっている。
◯テキストを用いた学習については事後に個別に復習するとともに、復習用のプリントによる学習も行う(4割)。
◯実践的な授業づくりの取り組みとしては、講義の後、授業時間から続く事後学習として、グループで一題材の作成課題に取り組む(4割)。
◯特に共通歌唱教材については、一人一人弾き語りに取り組む。継続して自主的に練習に取り組むこと(2割)。
授業計画(各回の授業内容)Course Outline
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- 1回目Session 1 対面授業 (Face-to-Face) 事前・事後学習 Study required outside class(Preparation/review):200分
- 【理論的基礎】概説編(序)音楽教育の意義 第1章音楽科の目標 / 共通歌唱教材弾き語り(簡易伴奏含む)
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- 2回目Session 2 対面授業 (Face-to-Face) 事前・事後学習 Study required outside class(Preparation/review):200分
- 【理論的基礎】概説編 第2章音楽科の指導内容 / 共通歌唱教材弾き語り(簡易伴奏含む)
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- 3回目Session 3 対面授業 (Face-to-Face) 事前・事後学習 Study required outside class(Preparation/review):200分
- 【理論的基礎】概説編 第3章音楽科の学習指導計画 / 共通歌唱教材弾き語り(簡易伴奏含む)
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- 4回目Session 4 対面授業 (Face-to-Face) 事前・事後学習 Study required outside class(Preparation/review):200分
- 【理論的基礎】概説編 第4章音楽学習の評価 / 共通歌唱教材弾き語り(簡易伴奏含む)
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- 5回目Session 5 対面授業 (Face-to-Face) 事前・事後学習 Study required outside class(Preparation/review):200分
- 【理論的基礎】実践編「授業実践にあたって」 第1章「主体的・対話的で深い学び」 / 共通歌唱教材弾き語り(簡易伴奏含む)
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- 6回目Session 6 対面授業 (Face-to-Face) 事前・事後学習 Study required outside class(Preparation/review):200分
- 【理論的基礎】実践編 第2章 歌唱の学習と指導 第3章 器楽の学習と指導 / 共通歌唱教材弾き語り(簡易伴奏含む)
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- 7回目Session 7 対面授業 (Face-to-Face) 事前・事後学習 Study required outside class(Preparation/review):200分
- 【理論的基礎】実践編 第4章 音楽づくりの学習と指導 第5章 鑑賞の学習と指導 第6章 表現と鑑賞との関わり / 共通歌唱教材弾き語り(簡易伴奏含む)
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- 8回目Session 8 対面授業 (Face-to-Face) 事前・事後学習 Study required outside class(Preparation/review):200分
- 【理論的基礎】実践編 第3部 今日的課題1~11 / 共通歌唱教材弾き語り(簡易伴奏含む)
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- 9回目Session 9 対面授業 (Face-to-Face) 事前・事後学習 Study required outside class(Preparation/review):200分
- 授業設計(グループ活動回1)主題の絞り込み
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- 10回目Session 10 対面授業 (Face-to-Face) 事前・事後学習 Study required outside class(Preparation/review):200分
- 授業設計(グループ活動回2)題材の全体計画(主題→各次→各時)
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- 11回目Session 11 対面授業 (Face-to-Face) 事前・事後学習 Study required outside class(Preparation/review):200分
- 授業設計(グループ活動回3)各次(各時)レベルでの目標分析及び評価基準の設定
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- 12回目Session 12 対面授業 (Face-to-Face) 事前・事後学習 Study required outside class(Preparation/review):200分
- 授業設計(グループ活動回4)授業プランの記述
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- 13回目Session 13 対面授業 (Face-to-Face) 事前・事後学習 Study required outside class(Preparation/review):200分
- 授業設計(グループ活動回5)授業プランのペアレビュー
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- 14回目Session 14 対面授業 (Face-to-Face) 事前・事後学習 Study required outside class(Preparation/review):200分
- 授業設計(グループ活動回6)授業プランの発表・評価、共通歌唱教材曲の弾き語り
活用される学習方法Learning methods
教科書・テキストTextbooks
小学校学習指導要領(平成29年3月告示 文部科学省)
小学校学習指導要領解説 音楽編(平成29年6月 文部科学省)
改訂版 最新 初等科音楽教育法 2017年告示「小学校学習指導要領」準拠 小学校教員養成課程用(音楽之友社)
参考書等References
『開発題材・実習授業資料集』(デジタル・アーカイブ)
課題の種類・内容Homework, Assignments, etc.
1)講義内容に関するオンライン復習課題によるまとめ。
2)表現及び鑑賞の領域とその密接な関連を実現した学習指導(題材)案の作成。
3)教材研究としての楽曲関連情報の収集と楽曲分析
4)共通歌唱教材の弾き語り(2曲)と簡易伴奏の作成
課題に対するフィードバックの方法Feedback Method
学習者間のペアレレビューと全員での批評会の中での助言(担当教員より)。共通歌唱教材の弾き語りについては実技テストの前にSAによるフィードバック(アドヴァイス)を繰り返し受けることができる。
成績評価Evaluation
成績評価の方法 / Evaluation Method
DP:A(40%)については講義内容に関しての筆記試験、DP:B(60%)については共通歌唱教材曲を用いた「弾き歌い」の実技テスト(20%分)に加え、自主設定題材(主題構成)による授業プラン作りの課題(40%)により評価する。なお、授業プラン作成時のグループ間レビュー実施状況を加点要素として加味し(20%相当)、総合的に評価する。
観点別評価の入力項目(ルーブリックとその使用方法) / Target to be Evaluated
SEQ 1
- DP観点 / Diploma Policy
Target Category - A(知識・技能)
- 成績評価の規準 / Evaluation Criteria
- 小学校音楽科をめぐる以下の内容に関する基本的知識を習得し、説明することができる。
◯これまでの小学校音楽科教育の歴史的変遷、及び現状における法的根拠、学習指導要領の内容について
◯学習指導要領における目標・内容、そして各学校における教育課程の編成、学習指導計画の策定(カリキュラム・マネジメント)について
◯題材設定、教科の指導内容、学習指導案及び評価計画の作成について
◯児童の音楽的成長及び発達について
◯ICT環境を含む道具・楽器の活用等について
- 評価尺度(水準)/ Evaluation Scale
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- 卓越水準 / Outstanding
- 音楽科の学習指導に関するテキストをベースにした講義とMoodle上での復習を通して基礎的な知識の習得に努めることができる。その上で、筆記による定期試験において9割以上の到達度を示すことが出来る。
- 目標到達水準 / Excellent
- 音楽科の学習指導に関するテキストをベースにした講義とMoodle上での復習を通して基礎的な知識の習得に努めることができる。その上で、筆記による定期試験において8割以上の到達度を示すことが出来る。
- 目標途上水準 / Good
- 音楽科の学習指導に関するテキストをベースにした講義とMoodle上での復習を通して基礎的な知識の習得に努めることができる。その上で、筆記による定期試験において7割以上の到達度を示すことが出来る。
- 目標下限水準 / Adequate
- 音楽科の学習指導に関するテキストをベースにした講義とMoodle上での復習を通して基礎的な知識の習得に努めることができる。その上で、筆記による定期試験において6割以上の到達度を示すことが出来る。
- 近接水準 / Inadequate
- 音楽科の学習指導に関するテキストをベースにした講義とMoodle上での復習を通して基礎的な知識の習得に努めることができる。その上で、筆記による定期試験において合計で5割以上の到達度を示すことが出来る。
- 評価不能 / Unevaluable
- 評価に値する情報が不足。または上記の水準に値せず、能力として評価に不適
SEQ 2
- DP観点 / Diploma Policy
Target Category - B(思考力・判断力・表現力等)
- 成績評価の規準 / Evaluation Criteria
- 下記項目に関して丁寧に検討し、実践的なコンテクスト(学習指導案の作成や模擬授業)の中で指導者としての創意工夫を表現することができる。
◯学習指導要領における目標・内容、そして各学校における教育課程の編成、学習指導計画の策定(カリキュラム・マネジメント)について
◯題材設定、教科の指導内容、学習指導案及び評価計画の作成について
◯児童の音楽的成長及び発達について
◯ICT環境を含む道具・楽器の活用等について
- 評価尺度(水準)/ Evaluation Scale
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- 卓越水準 / Outstanding
- 指定された条件のもと、グループで任意の学年の自主設定題材を構成することができる(主題構成による)。指定された観点でのグループ間レビューの内容、そして作成した指導プランの発表において、過去の事例と比較しても十分に真摯かつ丁寧で模範的な、創造的取り組みを示すことが出来る。また共通歌唱教材の弾き歌いにおいても十分な表現ができる。
- 目標到達水準 / Excellent
- 指定された条件のもと、グループで任意の学年の自主設定題材を構成することができる(主題構成による)。指定された観点でのグループ間レビューの内容、そして作成した指導プランの発表において、十分に丁寧で創造的な取り組みを示すことが出来る。また共通歌唱教材の弾き歌いにおいても十分な表現ができる。
- 目標途上水準 / Good
- 指定された条件のもと、グループで任意の学年の自主設定題材を構成することができる(主題構成による)。指定された観点でのグループ間レビューの内容、そして作成した指導プランの発表において、部分的に丁寧さや緻密さに欠ける点はあるものの、意欲的・創造的な取り組みの工夫を示すことが出来る。また共通歌唱教材の弾き歌いにおいても必要最低限の要求水準をクリアできる。
- 目標下限水準 / Adequate
- 指定された条件のもと、グループで任意の学年の自主設定題材を構成することができる(主題構成による)。指定された観点でのグループ間レビューの内容、そして作成した指導プランの発表において、部分的に丁寧さや緻密さに欠ける点はあるものの、必要最低限の質を備えた課題実施状況を示すことが出来る。また共通歌唱教材の弾き歌いにおいても必要最低限の要求水準をクリアできる。
- 近接水準 / Inadequate
- 指定された条件のもとグループで任意の学年の自主設定題材を構成する課題や、指定された観点でのグループ間レビューにおいて、また共通歌唱教材の弾き歌いにおいて不十分な部分が散見され、総合的に見て題材構成、授業実践、そして授業分析のための学習の成果を十分に示すことができない。
- 評価不能 / Unevaluable
- 評価に値する情報が不足。または上記の水準に値せず、能力として評価に不適
- 成績評価に関するその他の確認事項 / Other Information for Evaluation
履修上の注意Other Course Information
テキスト中心の学習の授業回においては、反転授業の形式、もしくは遠隔による学習の形態をとる。授業前、及び次回の授業に向けてのメールでの案内に留意すること。