シラバス - 古代キリスト教文化論B

  • ナンバリングコードCode
    INC-cou2-240
  • 科目名Subject Name
    古代キリスト教文化論B
  • 担当者名Instructor
    西脇 純
  • 単位Credit
    2
  • 履修年次Standard Year for Registration
    2-4
  • 学期Semester
    後期
  • クラスClass
  • 曜限Day/Period
    金曜4時限
  • 教室Classroom
    1-303
  • 授業形態Course Type
    講義・演習
  • メディア授業Distance Learning Course
  • 備考Remarks
    地中海宗教文化論B

    使用言語:日本語
  • 実務経験のある教員等による授業科目Taught by instructor(s) with practical experience
  • 学内単位互換科目としての受講可否Availability for inter-departmental credit transfer

授業の到達目標Objectives to be Attained

SEQ 1

DP観点 / Diploma Policy
Target Category
A(知識・技能)
文化事象について学術的に考察するための専門知識と方法論,および文献読解に必要な語学力を修得している。

・古代から中世にかけてのキリスト教思想ならびにその発露である宗教文化・芸術に関心を持ち,専門知識を身につけている。
・古代から中世にかけてのキリスト教思想ならびにその発露である宗教文化・芸術を理解するために必要な語学力を習得している。

SEQ 2

DP観点 / Diploma Policy
Target Category
D(態度・志向性)
DP観点D:
自己の価値観について客観的に反省できる批判精神,および他者の文化の多様性を理解し尊重できる寛容さを身につけている。また,学術を単なる手段とみなすことなく,文化を学ぶこと自体に喜びを見出し,その愉悦を他の人々と共有することができる。

・キリスト教思想とその発露である宗教文化・芸術に対して批判的に向き合いつつ,その理解にも努める態度が備わっている。
・異質な宗教文化を学ぶことに意義を見出し,それを他者に分かりやすく伝えることができる。

授業の概要Method of Instruction

【グレゴリオ聖歌を歌う】

4世紀に入るとキリスト教はローマ皇帝の宗教政策の助けを借りて帝国内に一気に教勢を広げ,迫害時代に秘匿されていた宗教儀式は公共の色彩を帯びるようになり,ミサを頂点とする典礼の組織化が進むと同時に,典礼の祝いを表現する手段として音楽,わけても合唱音楽が重用されるようになります。他方,共住型の修道制がヨーロッパに広がると,修道院も典礼音楽の主要な担い手となり,その精神性は民衆の信心に深く影響を与えることとなりました。

この授業では,前半で,キリスト教典礼の二大柱であるミサ(聖餐式)と聖務日課のための音楽を,それぞれの典礼の骨子とともにご紹介いたします。その際,ヨーロッパ音楽のひとつの源流と評されるグレゴリオ聖歌に注目したいと思います。クリスマスが近づく後半では,待降節と降誕祭のグレゴリオ聖歌を学びます。

中世の人々は「うた」と「ことば」にどのように向き合っていたのでしょうか?聖歌の何が彼らを惹きつけてやまなかったのでしょう?グレゴリオ聖歌の記譜法であるネウマをともに学び,実際に聖歌作品をネウマで歌う実践を通して,この宗教音楽の精神性に触れてみることにいたしましょう。

なお,遠隔授業を行う場合は,主に moodle を用いたオンデマンド・コンテンツに同時双方向テレビ会議システムを組み合わせた型とします。

事前・事後学習、時間等Study Required outside Class(Preparation, etc.)

本科目は実習を伴う講義科目です。授業各回に以下のように,2コマ相当の自主学習が求められます。
・事前学習として,moodle にアップロードされている毎回の授業資料を熟読し,内容の理解に努めたうえで授業に臨んでください(5割)。
・事後学習として,毎回の授業後に出される小レポート課題に取り組んでください(5割)。

授業計画(各回の授業内容)Course Outline

  • 1回目Session 1 対面授業 (Face-to-Face) 事前・事後学習 Study required outside class(Preparation/review):200分
    はじめに:キリスト教典礼とその音楽
  • 2回目Session 2 対面授業 (Face-to-Face) 事前・事後学習 Study required outside class(Preparation/review):200分
    典礼暦年(1)降誕祭圏と復活祭圏
  • 3回目Session 3 対面授業 (Face-to-Face) 事前・事後学習 Study required outside class(Preparation/review):200分
    典礼暦年(2)聖人の祝日で巡る一年
  • 4回目Session 4 対面授業 (Face-to-Face) 事前・事後学習 Study required outside class(Preparation/review):200分
    グレゴリオ聖歌の成立
  • 5回目Session 5 対面授業 (Face-to-Face) 事前・事後学習 Study required outside class(Preparation/review):200分
    ミサ(聖餐式)とグレゴリオ聖歌(1)歴史・構成・通常唱
  • 6回目Session 6 対面授業 (Face-to-Face) 事前・事後学習 Study required outside class(Preparation/review):200分
    ミサ(聖餐式)とグレゴリオ聖歌(2)固有唱
  • 7回目Session 7 対面授業 (Face-to-Face) 事前・事後学習 Study required outside class(Preparation/review):200分
    聖務日課とグレゴリオ聖歌(1)歴史・構成・朝晩の祈り
  • 8回目Session 8 対面授業 (Face-to-Face) 事前・事後学習 Study required outside class(Preparation/review):200分
    聖務日課とグレゴリオ聖歌(2)寝る前の祈り
  • 9回目Session 9 対面授業 (Face-to-Face) 事前・事後学習 Study required outside class(Preparation/review):200分
    待降節のグレゴリオ聖歌(1)待降節第一主日
  • 10回目Session 10 対面授業 (Face-to-Face) 事前・事後学習 Study required outside class(Preparation/review):200分
    待降節のグレゴリオ聖歌(2)おお交唱
  • 11回目Session 11 対面授業 (Face-to-Face) 事前・事後学習 Study required outside class(Preparation/review):200分
    降誕祭のグレゴリオ聖歌(1)夜半のミサ・早朝のミサ・日中のミサ
  • 12回目Session 12 対面授業 (Face-to-Face) 事前・事後学習 Study required outside class(Preparation/review):200分
    降誕祭のグレゴリオ聖歌(2)「おお大いなる神秘」ほか
  • 13回目Session 13 対面授業 (Face-to-Face) 事前・事後学習 Study required outside class(Preparation/review):200分
    ネウマ記譜法のはたらき(1)降誕祭のグレゴリオ聖歌を通して
  • 14回目Session 14 対面授業 (Face-to-Face) 事前・事後学習 Study required outside class(Preparation/review):200分
    ネウマ記譜法のはたらき(2)公現祭のグレゴリオ聖歌を通して

教科書・テキストTextbooks

なし

参考書等References

J.A.ユングマン著,石井祥裕訳『古代キリスト教典礼史』(平凡社,1997年)
J.A.ユングマン著,福地幹男訳『ミサ』(オリエンス宗教研究所,1992年)
K.‐H.ビーリッツ著,松山与志雄訳『教会暦—祝祭日の歴史と現在』(教文館,2003年)
土屋吉正『暦とキリスト教』(増補改訂版,オリエンス宗教研究所,2009年)
J.ハーパー著,佐々木勉・那須輝彦訳『中世キリスト教の典礼と音楽』(新装版,教文館,2010年)
水嶋良雄訳『グレゴリオ聖歌セミオロジー』(音楽之友社,1979年)
水嶋良雄・高橋正道訳『現代聖歌学に基づくグレゴリオ聖歌の歌唱法』(音楽之友社,2002年)
そのほか適宜,授業で紹介いたします。

課題の種類・内容Homework, Assignments, etc.

毎回の授業後に当該授業の内容に関わる小レポート(リアクションペーパー)の提出が求められます。加えて,定期試験として行われる最終レポートの提出もしくは歌唱試験の受験も必要です。

課題に対するフィードバックの方法Feedback Method

成績評価Evaluation

成績評価の方法 / Evaluation Method

授業参加度(70%),最終レポートもしくは歌唱試験(30%)
(1)このクラスでは,①授業に出席し,②授業内容を学び,③リアクションペーパーを期限内に提出すると,該当回の授業に参加したと認められます。①②③のいずれを欠いても「授業参加」とは認められませんのでご注意ください。
(2)授業参加度における評価は,受講態度(歌唱実践に積極的に参加するとともに授業中のおしゃべりと内職は慎んでください)と,リアクションペーパーの内容などから総合的に判断いたします。また,10回以上「授業参加」しないと大幅な減点となりますのでご注意ください。
(3)授業を欠席なさる場合は事前に担当者にメールで連絡し,事後に学生課発行の欠席届を提出してください。病気や部活の公式活動などの理由による欠席の場合に限り,期末の総合評価の際に考慮いたします。なお,その場合でも欠席が出席としてカウントされることはありません。
(4)最終レポートは歌唱試験(ネウマ記譜法でグレゴリオ聖歌を歌う)に代えることができます。実施方法などの詳細は講義のなかでお知らせいたします。

観点別評価の入力項目(ルーブリックとその使用方法) / Target to be Evaluated

SEQ 1

DP観点 / Diploma Policy
Target Category
A(知識・技能)
成績評価の規準 / Evaluation Criteria
文化事象について学術的に考察するための専門知識と方法論,および文献読解に必要な語学力を修得している。

・古代から中世にかけてのキリスト教思想ならびにその発露である宗教文化・芸術に関心を持ち,専門知識を身につけている。
・古代から中世にかけてのキリスト教思想ならびにその発露である宗教文化・芸術を理解するために必要な語学力を習得している。
評価尺度(水準)/ Evaluation Scale
卓越水準 / Outstanding
授業を通じて知識を修得し,理解すべき内容を超えたレベルに到達している。
目標到達水準 / Excellent
授業を通じて知識を修得し,理解すべき内容の十分なレベルに到達している。
目標途上水準 / Good
授業を通じて知識を修得し,理解すべき内容のレベルに到達している。
目標下限水準 / Adequate
授業を通じて知識を修得し,理解すべき内容のレベルにおおよそ到達している。
近接水準 / Inadequate
授業を通じて知識を修得し,理解すべき内容のレベルに到達していない。
評価不能 / Unevaluable
評価に値する情報が不足。または上記の水準に値せず,能力として評価に不適である。

SEQ 2

DP観点 / Diploma Policy
Target Category
D(態度・志向性)
成績評価の規準 / Evaluation Criteria
自己の価値観について客観的に反省できる批判精神,および他者の文化の多様性を理解し尊重できる寛容さを身につけている。また,学術を単なる手段とみなすことなく,文化を学ぶこと自体に喜びを見出し,その愉悦を他の人々と共有することができる。

・キリスト教思想とその発露である宗教文化・芸術に対して批判的に向き合いつつ,その理解にも努める態度が備わっている。
・異質な宗教文化を学ぶことに意義を見出し,それを他者に分かりやすく伝えることができる。
評価尺度(水準)/ Evaluation Scale
卓越水準 / Outstanding
授業を通じて身につける態度・志向性を超えたレベルに到達している。
目標到達水準 / Excellent
授業を通じて身につける態度・志向性のレベルに十分に到達している。
目標途上水準 / Good
授業を通じて身につける態度・志向性のレベルに到達している。
目標下限水準 / Adequate
授業を通じて身につける態度・志向性のレベルにおおよそ到達している。
近接水準 / Inadequate
授業を通じて身につける態度・志向性のレベルに到達していない。
評価不能 / Unevaluable
評価に値する情報が不足。または上記の水準に値せず、能力として評価に不適
成績評価に関するその他の確認事項 / Other Information for Evaluation
評価に値する情報が不足。または上記の水準に値せず,能力として評価に不適である。

履修上の注意Other Course Information