シラバス - 美学・芸術学A
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- ナンバリングコードCode
- INC-cou2-257
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- 科目名Subject Name
- 美学・芸術学A
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- 担当者名Instructor
- 柿木 伸之
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- 単位Credit
- 2
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- 履修年次Standard Year for Registration
- 1-4/2-4
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- 学期Semester
- 前期
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- クラスClass
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- 曜限Day/Period
- 火曜2時限
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- 教室Classroom
- 1-304
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- 授業形態Course Type
- 講義・演習
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- メディア授業Distance Learning Course
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- 備考Remarks
- 使用言語:日本語
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- 実務経験のある教員等による授業科目Taught by instructor(s) with practical experience
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- 学内単位互換科目としての受講可否Availability for inter-departmental credit transfer
- 可
授業の到達目標Objectives to be Attained
SEQ 1
- DP観点 / Diploma Policy
Target Category - A(知識・技能)
- 西洋の美学と芸術学の歴史的な展開について一定の専門的な知識を習得し、それを文化に関する各自の研究を理論的に深めたり、芸術をはじめ文化的事象やその美的経験の現代社会における意義を考えたりするのに生かすことができる。
SEQ 2
- DP観点 / Diploma Policy
Target Category - D(態度・志向性)
- 西洋の美学と芸術学の思想に照らして従来の美意識や芸術観を見つめ直したり、美と芸術に関する今までなじみのなかった考え方を理解したりすることができるようになる。同時に、こうした思考の営みに熱意と喜びをもって取り組めるようになる。
授業の概要Method of Instruction
美学とは、美しいとはどういうことかを問い、美しさを感じ取る経験の本質に迫ろうとする思考の営為です。また、芸術学とは、芸術とは何かを問い、その具体的なあり方や意義を考える営みです。この講義は、西洋における美学と芸術学の足跡を古代からたどることで、このような思考の営みへ受講者をいざなうものです。そのために、西洋の古典的な美学と芸術論を、受講者の問題意識を喚起するかたちで紹介していきます。
古典的な美学と芸術論について一定の知識を得たことを足がかりに、感性を育み、想像力を拡げる芸術の生にとっての意義について、文化現象とその経験をめぐる問題について、みずから問いを立てて考えられるようになることを目標に、この講義では西洋の美学と芸術論の展開を、およそ2500年前からたどっていきます。古代ギリシア以来、美への問いと芸術についての思考は、分かちがたく結びついています。それゆえ講義は、美学的な思索の歩みと芸術論を交差させるかたちで進められます。説明にはスライドなどが用いられます。
事前・事後学習、時間等Study Required outside Class(Preparation, etc.)
講義で説明に用いる資料を事前に閲覧できるようにしますので、目を通して問題意識を持って講義に臨んでください(約0.5時間)。講義後は、自分のノートと資料を見返すとともに、紹介された参考文献などを一冊でも読むようにしてください(約2.5時間)。
授業計画(各回の授業内容)Course Outline
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- 1回目Session 1 対面授業 (Face-to-Face) 事前・事後学習 Study required outside class(Preparation/review):180分
- イントロダクション:美学とは何か、芸術学とは何か
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- 2回目Session 2 対面授業 (Face-to-Face) 事前・事後学習 Study required outside class(Preparation/review):180分
- ムーサの歌と調和の霊感:古代ギリシアの美学と芸術実践
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- 3回目Session 3 対面授業 (Face-to-Face) 事前・事後学習 Study required outside class(Preparation/review):180分
- 美の探究と芸術批判:プラトンにおける美の追求と「詩人追放論」
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- 4回目Session 4 対面授業 (Face-to-Face) 事前・事後学習 Study required outside class(Preparation/review):180分
- 芸術とその体験の理論の端緒:アリストテレスの悲劇論
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- 5回目Session 5 対面授業 (Face-to-Face) 事前・事後学習 Study required outside class(Preparation/review):180分
- 言葉の彩の追求:古代ギリシアからローマに至る修辞学の系譜
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- 6回目Session 6 対面授業 (Face-to-Face) 事前・事後学習 Study required outside class(Preparation/review):180分
- 真理へ媒介する芸術:ヘレニズム期の芸術とプロティノスの美学
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- 7回目Session 7 対面授業 (Face-to-Face) 事前・事後学習 Study required outside class(Preparation/review):180分
- 魂の韻律を求めて:アウグスティヌスの美学と芸術論
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- 8回目Session 8 対面授業 (Face-to-Face) 事前・事後学習 Study required outside class(Preparation/review):180分
- 美の形而上学:トマス・アクィナスを中心とするスコラ学の美学
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- 9回目Session 9 対面授業 (Face-to-Face) 事前・事後学習 Study required outside class(Preparation/review):180分
- 芸術家の自覚と芸術の定義:ルネサンスにおける芸術とその理論
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- 10回目Session 10 対面授業 (Face-to-Face) 事前・事後学習 Study required outside class(Preparation/review):180分
- 近代芸術の美学:バウムガルテンの美学と古典主義の芸術論
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- 11回目Session 11 対面授業 (Face-to-Face) 事前・事後学習 Study required outside class(Preparation/review):180分
- 美しいと判断することの意味:カントの美学
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- 12回目Session 12 対面授業 (Face-to-Face) 事前・事後学習 Study required outside class(Preparation/review):180分
- 人間性の実現としての美:ヘルダーとシラーの美学
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- 13回目Session 13 対面授業 (Face-to-Face) 事前・事後学習 Study required outside class(Preparation/review):270分
- 批評による芸術の発展:ドイツ・ロマン主義の文芸
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- 14回目Session 14 対面授業 (Face-to-Face) 事前・事後学習 Study required outside class(Preparation/review):270分
- 芸術による世界の創造:ドイツ観念論の美学
教科書・テキストTextbooks
教科書などはとくに指定しません。
参考書等References
講義全体の参考書として、以下の概説書を挙げておきます。
今道友信『美について』講談社現代新書、1973年。
佐々木健一『美学への招待増補版』中公新書、2019年。
小田部胤久『西洋美学史』東京大学出版会、2009年。
井奥陽子『近代美学入門』ちくま新書、2023年。
これらの他、講義のなかで参考になる書籍などを紹介します。
課題の種類・内容Homework, Assignments, etc.
各回の講義のトピックをめぐって考えたことを、ひと言コメントとして書いていただきます。学期末には試験を行ないます。
課題に対するフィードバックの方法Feedback Method
各回の講義へのコメントには、次の回の講義の冒頭で応答するようにします。学期末試験については、全体的な講評を行ないます。
成績評価Evaluation
成績評価の方法 / Evaluation Method
主に学期末試験によって成績評価を行ないます(70%)。試験は、一問一答の問題と論述問題によって構成されます。それによって、美学と芸術学の歴史的な展開について一定の専門的な知識を習得しているか、美と芸術についてのそれぞれの思想を充分に理解しているかを評価します。思想を掘り下げ、それを現代に生かす可能性を考えようとする姿勢を含めて、充分な水準に達しているか、それを越えた水準を示しているか、あるいは求められている水準にどれほど近づいているかを吟味して成績を判断します。
毎回の講義のトピックについて考えたことを記したコメントも成績評価の要素とします(30%)。コメントは、新たに学んだ美学と芸術学の思想をどの程度積極的に理解しようとしているかを焦点に、その内容を評価します。講義への出席自体は評価の対象ではありません。
観点別評価の入力項目(ルーブリックとその使用方法) / Target to be Evaluated
SEQ 1
- DP観点 / Diploma Policy
Target Category - A(知識・技能)
- 成績評価の規準 / Evaluation Criteria
- 西洋の美学と芸術学の歴史的な展開についての一定の専門的な知識を、それを文化に関する各自の研究を理論的に深めたり、芸術をはじめ文化的事象やその美的経験の現代社会における意義を考えたりするのに生かせる水準で習得している。
- 評価尺度(水準)/ Evaluation Scale
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- 卓越水準 / Outstanding
- 美学と芸術学の展開を講義以上に深く理解しており、その知識は、文化的事象や美的経験を考察するのに充分な水準にある。
- 目標到達水準 / Excellent
- 美学と芸術学の展開を講義の範囲で充分に理解しており、その知識は、文化的事象や美的経験を考察できる水準にある。
- 目標途上水準 / Good
- 美学と芸術学の展開を講義の範囲でおおよそ理解しており、その知識は、文化的事象や美的経験を考察するための手がかりになりうる水準にある。
- 目標下限水準 / Adequate
- 美学と芸術学の展開を必要最低限の範囲で理解しており、その知識は、文化的事象や美的経験との関連を探ることができる水準にある。
- 近接水準 / Inadequate
- 美学と芸術学の展開を充分に理解しておらず、その知識も、文化的事象や美的経験を考察するのには不足している。
- 評価不能 / Unevaluable
- 美学と芸術学の展開の理解度を評価するための情報が不足している。あるいは、知識も理解度も評価に値する水準に達していない。
SEQ 2
- DP観点 / Diploma Policy
Target Category - D(態度・志向性)
- 成績評価の規準 / Evaluation Criteria
- 西洋の美学と芸術学の思想に照らして従来の美意識や芸術観を見つめ直したり、美と芸術に関するなじみのない考え方を理解したりすることができるようになっている。同時に、こうした思考の営みに熱意と喜びをもって取り組んでいる。
- 評価尺度(水準)/ Evaluation Scale
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- 卓越水準 / Outstanding
- 美学と芸術学の思想を理解しようとする積極性と、それによって美意識と芸術観を深めようとする熱意を卓越した水準で示している。
- 目標到達水準 / Excellent
- 美学と芸術学の思想を理解しようとする積極性と、それによって美意識と芸術観を深めようとする熱意を充分な水準で示している。
- 目標途上水準 / Good
- 美学と芸術学の思想を理解しようとする積極性と、それによって美意識と芸術観を深めようとする熱意が、ほぼ求められた水準に達している。
- 目標下限水準 / Adequate
- 美学と芸術学の思想を理解しようとする積極性と、それによって美意識と芸術観を深めようとする熱意が、必要最低限の水準に達している。
- 近接水準 / Inadequate
- 美学と芸術学の思想を理解しようとする積極性と、それによって美意識と芸術観を深めようとする熱意が求められた水準に達していない。
- 評価不能 / Unevaluable
- 美学と芸術学の思想を理解しようとする積極性と、それによって美意識と芸術観を深めようとする熱意を評価するための情報が不足している。もしくは、これらが評価に値する水準に達していない。
- 成績評価に関するその他の確認事項 / Other Information for Evaluation
- 学期末試験の成績は、観点AとDの両方から判断します。講義へのコメントは、主にDの観点から評価します。
履修上の注意Other Course Information
講義内容をノートにまとめられるよう準備をして講義に臨んでください。主要な概念についての理解を深めるため、資料の内容すべてには言及せずに、別のトピックを導入しながら説明することもあるので、講義内容を各自でまとめることは必須です。上記の授業計画は、受講者と相談のうえで変更することがあります。授業についてmoodleを用いて連絡する場合がありますので、情報の確認を怠らないようにしてください。現代に至る美学と芸術論への見通しを得るために、美学・芸術学Bも継続して履修することをお薦めします。