シラバス - 音楽概論I

  • ナンバリングコードCode
  • 科目名Subject Name
    音楽概論I
  • 担当者名Instructor
    渡邊 均
  • 単位Credit
    2
  • 履修年次Standard Year for Registration
    3-4
  • 学期Semester
    前期
  • クラスClass
  • 曜限Day/Period
    火曜2時限
  • 教室Classroom
    4-202
  • 授業形態Course Type
    講義・演習
  • メディア授業Distance Learning Course
  • 備考Remarks
    音楽概論

    使用言語:日本語
  • 実務経験のある教員等による授業科目Taught by instructor(s) with practical experience
  • 学内単位互換科目としての受講可否Availability for inter-departmental credit transfer
    不可

授業の到達目標Objectives to be Attained

SEQ 1

DP観点 / Diploma Policy
Target Category
C(総合的な学修経験・創造性)
 音楽と人間について具体例を伴って説明及び解釈することができる。
1)表象文化としての音楽の有り様を、生活経験、音楽経験、教育(教授・学習)経験といった文脈で具体例を伴って説明し、また解釈することができる。
2)多様な人間経験の有り様を音楽表現と関連づけて説明することができる。

SEQ 2

DP観点 / Diploma Policy
Target Category
D(態度・志向性)
 内省によりこれまでの自身と音楽との関係を見つめ、より精神的に豊かに生きるための(幼児・児童期の)音楽生活について考察することができる。
1)自らの音楽に関する生育歴の確認を通して、音楽と私の関係を冷静に客観視して丁寧に記憶から想起し音楽に対する認識と自己認識を再確認・再構成することができる。
2)エピソード記憶を紡ぎ出す中で、冷静に自己を客観視し、音楽と自身との関係性を冷静に多様な側面から解説することができる。

授業の概要Method of Instruction

 音楽概論では、その物理的な特性から音楽について接近する方法について概説するのみでなく、人間・教育とのかかわりの中 でいかに音楽に接近していくべきか、歴史的・文化的文脈や心理学的な諸側面を考慮しながらその方法について概説する。これ は、将来の教育者・教育実践家の内面にどのよ うに「原理」が構築されていくべきか、受講者にとってその接近法を固めていく一助となるよう願ってのものである。
 講義では、教授者側が用意した資料等を用いての考察等も重なうものの、他方、受講者が自身の音楽経験や独自の音楽観を持ち込み、討論の中で互いの経験や音楽観を理解しあいながら音楽教育についての「原理」を練り上げ、共有していく過程を大切にしたい。

 またこれと平行して、各個人が惹きつけられている音楽作品にどのような音楽的な工夫や魅力が盛り込まれているのか、それぞれの楽曲が持つ構造的・表現的特質を浮き彫りにしてゆく楽曲分析の活動に取り組んでゆくこととする。各個人が惹きつけられている音楽作品にはジャンルや音楽的なスケールの大きさ複雑さにおいて様々であろうと考えられるが、今回とりあげる作品は、楽曲分析の初歩的な段階として取り組み易いように、明快なメロディーと歌詞を伴った小編成・小規模の作品を参加者同士で持ち寄ることにしたい。

事前・事後学習、時間等Study Required outside Class(Preparation, etc.)

 本科目は講義科目である。授業回毎に以下のような、200分相当の自主学習を要する学習内容となっている。
○関連資料として示された映像・音声作品の鑑賞
○講義で着目した特定の音楽の特徴や機能を他の音楽作品に見出す探究活動(鑑賞)
○楽曲分析課題
○指定回におけるレポート

授業計画(各回の授業内容)Course Outline

  • 1回目Session 1 対面授業 (Face-to-Face) 事前・事後学習 Study required outside class(Preparation/review):200分
    幼児・児童の教育とその時期の音楽的成長と発達との関わり(概説)
  • 2回目Session 2 対面授業 (Face-to-Face) 事前・事後学習 Study required outside class(Preparation/review):200分
    音楽への自己関与から理解の広がりへ(概説)
  • 3回目Session 3 対面授業 (Face-to-Face) 事前・事後学習 Study required outside class(Preparation/review):200分
    理解の様相と音楽
  • 4回目Session 4 対面授業 (Face-to-Face) 事前・事後学習 Study required outside class(Preparation/review):200分
    幼児期・児童期の生育歴と音楽(概説)
  • 5回目Session 5 対面授業 (Face-to-Face) 事前・事後学習 Study required outside class(Preparation/review):200分
    幼児期・児童期の生育歴と音楽(討論)
  • 6回目Session 6 対面授業 (Face-to-Face) 事前・事後学習 Study required outside class(Preparation/review):200分
    受講者の生育歴における音楽との関わりの分析から(発表)
  • 7回目Session 7 対面授業 (Face-to-Face) 事前・事後学習 Study required outside class(Preparation/review):200分
    音楽の理解の諸様相と発達的特徴(概説)
  • 8回目Session 8 対面授業 (Face-to-Face) 事前・事後学習 Study required outside class(Preparation/review):200分
    音楽に自己関与を強めていく子どもを育てるために(音楽のエキスパートの指導哲学)
  • 9回目Session 9 対面授業 (Face-to-Face) 事前・事後学習 Study required outside class(Preparation/review):200分
    印象的な体験としての音楽作品、及びその特徴①
  • 10回目Session 10 対面授業 (Face-to-Face) 事前・事後学習 Study required outside class(Preparation/review):200分
    印象的な体験としての音楽作品、及びその特徴②
  • 11回目Session 11 対面授業 (Face-to-Face) 事前・事後学習 Study required outside class(Preparation/review):200分
    楽曲分析の基本(一貫性と対称性の視点からの構造の把握)
  • 12回目Session 12 対面授業 (Face-to-Face) 事前・事後学習 Study required outside class(Preparation/review):200分
    楽曲分析の基本(一貫性と対称性の視点からの表現の把握)
  • 13回目Session 13 対面授業 (Face-to-Face) 事前・事後学習 Study required outside class(Preparation/review):200分
    印象的な体験としての音楽作品、及びその特徴①
  • 14回目Session 14 対面授業 (Face-to-Face) 事前・事後学習 Study required outside class(Preparation/review):200分
    印象的な体験としての音楽作品、及びその特徴①

教科書・テキストTextbooks

 なし

参考書等References

 M・テイト/P・ハック(千成俊夫・竹内俊一・山田潤二 共訳)『音楽教育の原理と方法』(音楽之友社)
 L・バーンスタイン/E・カスティリオーネ(西本晃二監訳・笠羽映子訳)『バーンスタイン音楽を生きる』青土社)

課題の種類・内容Homework, Assignments, etc.

 卒業研究に取り組む楽曲など、深く掘り下げて理解したい作品について(自由選択曲)、個別に楽曲分析に取り組む。

課題に対するフィードバックの方法Feedback Method

 課題実施中に随時発表を繰り返す。その中で学習者間で、また指導教員からもフィードバックを受ける。

成績評価Evaluation

成績評価の方法 / Evaluation Method

DP:C(40%)については楽曲の分析・解釈についての発表(レポート)、DP:D(60%)については自身の生育歴からの音楽観に関する発表(レポート)により総合的に評価する。いずれも講義の中で繰り返し発表等が求められる中で練り上げていくので、その過程を重視する。

観点別評価の入力項目(ルーブリックとその使用方法) / Target to be Evaluated

SEQ 1

DP観点 / Diploma Policy
Target Category
C(総合的な学修経験・創造性)
成績評価の規準 / Evaluation Criteria
 音楽と人間について具体例を伴って説明及び解釈することができる。
1)表象文化としての音楽の有り様を、生活経験、音楽経験、教育(教授・学習)経験といった文脈で具体例を伴って説明し、また解釈することができる。
2)多様な人間経験の有り様を音楽表現と関連づけて説明することができる。
評価尺度(水準)/ Evaluation Scale
卓越水準 / Outstanding
楽曲分析の基本的な視点を学び、楽曲の特長を概略的に捉える方法を獲得したのち、その知見を応用して自身の興味を持った楽曲を構造的かつ表現上の工夫の点から把握する活動に持続的に取り組みむことができる。自身の楽曲分析の成果をハイパーメディアを駆使したレポートとして発表することが出来る。その際、自身の選択楽曲と自身との関わりについて深く思索を巡らせるだけでなく、他者の選択した楽曲の分析成果の発表にも、自身の分析経験を生かした有益なコメントをフィードバックすることができる。
目標到達水準 / Excellent
楽曲分析の基本的な視点を学び、楽曲の特長を概略的に捉える方法を獲得したのち、その知見を応用して自身の興味を持った楽曲を構造的かつ表現上の工夫の点から把握する活動に持続的に取り組みむことができる。必要な全ての観点から行った自身の楽曲分析の成果をハイパーメディアを駆使したレポートとして発表することが出来る。その際、自身の選択楽曲と自身との関わりについて深く思索を巡らせることができる。
目標途上水準 / Good
楽曲分析の基本的な視点を学び、楽曲の特長を概略的に捉える方法を獲得したのち、その知見を応用して自身の興味を持った楽曲を構造的かつ表現上の工夫の点から把握する活動に持続的に取り組むことができる。求めた分析の観点を全て満たしてはいないものの、自身の楽曲分析の成果をハイパーメディアを駆使したレポートとして発表することが出来る。その際、自身の選択楽曲と自身との関わりについて触れることができる。
目標下限水準 / Adequate
楽曲分析の基本的な視点を学び、楽曲の特長を概略的に捉える方法を獲得したのち、その知見を応用して自身の興味を持った楽曲を構造的かつ表現上の工夫の点から把握する活動に持続的に取り組むことができる。求めた分析の観点からは不十分さは否めないものの、自身の楽曲分析の成果をハイパーメディアを駆使したレポートとして発表することができる。
近接水準 / Inadequate
楽曲分析の基本的な視点を学び、楽曲の特長を概略的に捉える方法を獲得することはできたが、その知見を応用して、自身の興味を持った楽曲を構造的かつ表現上の工夫の点から把握する活動には十分に取り組むことができていない。
評価不能 / Unevaluable
評価に値する情報が不足。または上記の水準に値せず、能力として評価に不適

SEQ 2

DP観点 / Diploma Policy
Target Category
D(態度・志向性)
成績評価の規準 / Evaluation Criteria
 内省によりこれまでの自身と音楽との関係を見つめ、より精神的に豊かに生きるための(幼児・児童期の)音楽生活について考察することができる。
1)自らの音楽に関する生育歴の確認を通して、音楽と私の関係を冷静に客観視して丁寧に記憶から想起し音楽に対する認識と自己認識を再確認・再構成することができる。
2)エピソード記憶を紡ぎ出す中で、冷静に自己を客観視し、音楽と自身との関係性を冷静に多様な側面から解説することができる。
評価尺度(水準)/ Evaluation Scale
卓越水準 / Outstanding
音楽と関わる部分での自身の生育歴や音楽経験を繰り返し説明する中で掘り下げることができる。また豊かに解釈を回らすことができる。また、将来の生活の中での音楽との関わり方を有意義な形で、且つ具体的に位置づけることができる。
目標到達水準 / Excellent
音楽と関わる部分での自身の生育歴や音楽経験を繰り返し説明する中で掘り下げることができる。また豊かに解釈を回らすことができる。また、将来の生活の中での音楽との関わり方を展望することができる。
目標途上水準 / Good
音楽と関わる部分での自身の生育歴や音楽経験を繰り返し説明する中で掘り下げることができる。また豊かに解釈を回らすことができる。
目標下限水準 / Adequate
音楽と関わる部分での自身の生育歴や音楽経験を繰り返し説明する中で掘り下げることができる。
近接水準 / Inadequate
(音楽)生育歴に関わる2段階のレポートを十分に完了することができていない。
評価不能 / Unevaluable
評価に値する情報が不足。または上記の水準に値せず、能力として評価に不適
成績評価に関するその他の確認事項 / Other Information for Evaluation

履修上の注意Other Course Information

 楽曲分析の活動において、自身の惹かれている音楽作品(小品)の録音と楽譜を用意する必要があります。ポータブルなプレーヤー(携帯電話、ネットオーディオ、CDプレーヤー等)を用意すること。