シラバス - 企業取引法III(保険法・海商法)

  • ナンバリングコードCode
    LAW-exp3-313
  • 科目名Subject Name
    企業取引法III(保険法・海商法)
  • 担当者名Instructor
    笹本 幸祐
  • 単位Credit
    2
  • 履修年次Standard Year for Registration
    3-4
  • 学期Semester
    集中
  • クラスClass
  • 曜限Day/Period
    無その他
  • 教室Classroom
    ダミー教室
  • 授業形態Course Type
    講義・演習
  • メディア授業Distance Learning Course
  • 備考Remarks
    使用言語:日本語
  • 実務経験のある教員等による授業科目Taught by instructor(s) with practical experience
  • 学内単位互換科目としての受講可否Availability for inter-departmental credit transfer

授業の到達目標Objectives to be Attained

SEQ 1

DP観点 / Diploma Policy
Target Category
B(思考力・判断力・表現力等)
 科目名は保険法・海商法でありますが、本講義が集中講義であること、および受講生の多くが社会に出て国際海運業の船舶所有者になるとは思えないこと、また、大半の人にとっては保険契約の方が身近であることから、本講義では、海商法は対象とせず、保険法のみを講義の対象とします。
 現行の保険法は、2008年6月6日に国会で可決され、2010年4月1日に施行されました。
 草案作成の前段階において、(社)生命保険協会、(社)損害保険協会の委嘱を受けて、フランス保険契約法の翻訳および紹介を行った経験から、新保険法において現行商法および約款実務上の論点がどのように克服されていったか、また克服されておらず依然として残っている問題点にはどのようなものがあるかといったことを内容として、損害保険契約、生命保険契約、傷害・疾病保険契約等に対する規制について概説してみたいと考えています。
 立法の裏話も話せる範囲でしてみようかなとも思っています。
 したがって、保険法および保険実務の両方にバランスの取れた理解の修得を目標としています。
 市販本に軽く目を通せば覚えられるような単なる教養のための机上の学習レベルの講義をするつもりはありません。就活で保険会社を含む金融業界や不動産・自動車関連の職業を考えている人にとっても、即有益なものとなるレベルの内容ですので、しっかり興味関心を持って授業に向き合ってください。

授業の概要Method of Instruction

 2010年に施行された「保険法」の立案作業の一部に関わった経験から得られた示唆、施行後の裁判例などをもとにして、新しい保険法に関するさまざまな理論と実務について徹底的に掘り下げて考えてみたいと考えています。
 保険会社における約款運用、取扱者との関係、募集・支払などの現実的な実務内容をもとに考えるため、市販されている書籍だけの知識では授業内容についてくるのはやや困難であるということをあらかじめお断りしておきます。
 なお、授業担当者は、某生命保険会社の保険金不払事案に関する不払審査委員会の学識経験者委員を15年以上務めていることから、適宜必要に応じて、保険実務上の理論的問題点を紹介したり、保険会社で実務にあたっている方々の現場での生の声を授業中に織り込んでいくつもりですので、就活で保険会社をはじめとする金融業界や、保険代理店業務を営む自動車販売業界や不動産業界のほか、保険を必ず利用する運送業界等を志望している学生の積極的な受講を歓迎します。
 対面での授業運営を予定していますが、毎回の講義内容をより詳細に解説した口述式講義案を毎回の授業時に合わせてMoodleに掲載していきますので、授業時には、それを利用して授業を聴いてもらってもいいし、授業後の復習にそれを活用してもらってもかまいません。したがって、このような授業運営に余裕で対応できるようにPCおよび通信環境等を整えておいてください。
 実際の講義は対面ですから、もっぱら口述式講義案を中心にしながら、補助教材として学術論文や判例評釈等の配布プリントを用いて、そこに書かれている内容の分析を示すことで行うので、出席しなければ理解ができずに単位取得が困難になりますから、できる限り全時間出席してください。
 夏期休暇中の集中講義にわざわざ出てくるのは大変だとは思いますが、少しでも保険というものに興味のある学生諸君の積極的な参加を期待しています。
 私は過去に西南学院大学法学部法律学科主任であったこともあり、法学部生には特別な思い入れを抱いていますから、講義内容はできるかぎりわかりやすく説明することに努めますし、成績評価についても講義に積極的に参加した学生に有利になるようにしか取り扱わないので、受講生は安心して下さい。
 とにかくリラックスして講義に参加して、興味を持ちながら聴いてもらえれば、自然と保険法に親しみ、理解できる、そんな講義を目指していますので、履修登録者のみなさんの協力をお願いします。

事前・事後学習、時間等Study Required outside Class(Preparation, etc.)

 集中講義なので、すべての授業に出席することがまず大前提です。どのような形で立法が行われるに至ったのか、またその背景にはどのような事情があったのかといったことから、現実の法的諸問題が立法で解決されることになったのかどうか、残された課題はあるのかといったことまでを、授業内容から各自が考えるようにしてください。
 とにかくあれやこれやと考えるという習慣が身についていれば、授業時や、その前後に自分自身だけでなく、友人・知人、両親等との会話においても、ネタにできる程度に授業内容を考えてみて、自分なりの感想めいたものを自分の言葉で言えるようになるよう、心がけてみて下さい。

授業計画(各回の授業内容)Course Outline

  • 1回目Session 1 対面授業 (Face-to-Face) 事前・事後学習 Study required outside class(Preparation/review):200分
    ガイダンス・保険法成立の経緯
  • 2回目Session 2 対面授業 (Face-to-Face) 事前・事後学習 Study required outside class(Preparation/review):200分
    保険制度の概要
  • 3回目Session 3 対面授業 (Face-to-Face) 事前・事後学習 Study required outside class(Preparation/review):200分
    保険法の特徴
  • 4回目Session 4 対面授業 (Face-to-Face) 事前・事後学習 Study required outside class(Preparation/review):200分
    保険契約に共通する論点
  • 5回目Session 5 対面授業 (Face-to-Face) 事前・事後学習 Study required outside class(Preparation/review):200分
    損害保険契約における諸論点
  • 6回目Session 6 対面授業 (Face-to-Face) 事前・事後学習 Study required outside class(Preparation/review):200分
    損害保険契約における諸論点
  • 7回目Session 7 対面授業 (Face-to-Face) 事前・事後学習 Study required outside class(Preparation/review):200分
    損害保険契約における諸論点
  • 8回目Session 8 対面授業 (Face-to-Face) 事前・事後学習 Study required outside class(Preparation/review):200分
    損害保険契約における諸論点
  • 9回目Session 9 対面授業 (Face-to-Face) 事前・事後学習 Study required outside class(Preparation/review):200分
    生命保険契約における諸論点
  • 10回目Session 10 対面授業 (Face-to-Face) 事前・事後学習 Study required outside class(Preparation/review):200分
    生命保険契約における諸論点
  • 11回目Session 11 対面授業 (Face-to-Face) 事前・事後学習 Study required outside class(Preparation/review):200分
    生命保険契約における諸論点
  • 12回目Session 12 対面授業 (Face-to-Face) 事前・事後学習 Study required outside class(Preparation/review):200分
    生命保険契約における諸論点
  • 13回目Session 13 対面授業 (Face-to-Face) 事前・事後学習 Study required outside class(Preparation/review):200分
    傷害・疾病保険契約における諸論点
  • 14回目Session 14 対面授業 (Face-to-Face) 事前・事後学習 Study required outside class(Preparation/review):200分
    傷害・疾病保険契約における諸論点

教科書・テキストTextbooks

なし。読みやすい文体で作成した私製の口述式講義案をMoodleを通じて配布します。

参考書等References

もし興味があるなら、山下友信ほか『保険法』(有斐閣アルマ)が一番信頼でき、かつコンパクトなテキストなので、大きな書店等で立ち読みでもいいので一読してみることをお勧めします。判例に関しては、保険法判例百選で十分です。

課題の種類・内容Homework, Assignments, etc.

集中講義なので授業における課題は課しません。全授業終了後の試験は論述試験です。4日間すべて出席していればそれだけで簡単に解答できる出題になっています。

課題に対するフィードバックの方法Feedback Method

授業内容をメモしたりあとでそれをまとめ直したノートさえあれば、各自が自分で試験結果を分析できますから、こちらからこれといったフィードバックは予定していませんが、質問に関しては、Moodleを利用して行ってもらえれば、臨機応変に対応します。

成績評価Evaluation

成績評価の方法 / Evaluation Method

筆記試験の採点結果のみに基づいて評価します(試験100%)が、これまでの十数年間、講義にちゃんと参加していた受講生で単位を取得できなかった人は一人もいませんから、朝から夕方まで毎日出席して普通に講義を聴くということさえできるのであれば、単位取得は容易です。その意味では楽勝科目といえるかもしれません。

観点別評価の入力項目(ルーブリックとその使用方法) / Target to be Evaluated

SEQ 1

DP観点 / Diploma Policy
Target Category
B(思考力・判断力・表現力等)
成績評価の規準 / Evaluation Criteria
 事前に試験問題の情報提供はしますが、授業内容がすべて試験範囲となるため、毎回の授業に対する積極的な参加が必然的に求められることになります。
 筆記試験の解答が他の受験者のすべての解答と比較して、著しく劣っている場合にのみ、不可とし、それ以外は、その答案構成の優劣で各評価が決定されます。
評価尺度(水準)/ Evaluation Scale
卓越水準 / Outstanding
解答として要求される内容がすべて含まれており、関連する裁判例等についての言及も十分に行われていて、その上で、全体的な答案の構成力が著しく秀でている。
目標到達水準 / Excellent
解答として要求される内容がすべて含まれており、関連する裁判例等についての言及も十分に行われているが、全体的な答案の構成力にまだ若干の改善の余地がある。
目標途上水準 / Good
解答として要求される内容はほぼすべて含まれているものの、関連する裁判例等についての言及がやや不十分である。
目標下限水準 / Adequate
解答として要求される内容にやや不十分なところはあるが、重要な点については何とかきちんんとふれることができている。
近接水準 / Inadequate
該当なし
評価不能 / Unevaluable
評価に値する情報が不足。または上記の水準に値せず、能力として評価に不適。
成績評価に関するその他の確認事項 / Other Information for Evaluation
基本的には、授業にすべて出席していれば、余裕で合格に値する解答の作成が可能であるので、とにかく出席して授業に積極的に参加することが大前提。

履修上の注意Other Course Information

とにかく毎日きちんと朝から夕方まで講義に参加することにつきます。私は遅刻・早退ができないのですから、みなさんも同じように合わせて頑張ってください。お互いに気持ちよく過ごすこと(楽しく講義ができる、納得して単位が取得できる)が一番です。