シラバス - 国際金融論
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- ナンバリングコードCode
- IEC-fin3-320
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- 科目名Subject Name
- 国際金融論
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- 担当者名Instructor
- 岩本 武和
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- 単位Credit
- 4
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- 履修年次Standard Year for Registration
- 3-4
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- 学期Semester
- 前期
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- クラスClass
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- 曜限Day/Period
- 火曜2時限/木曜1時限
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- 教室Classroom
- 2-504
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- 授業形態Course Type
- 講義・演習
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- メディア授業Distance Learning Course
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- 備考Remarks
- 使用言語:日本語
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- 実務経験のある教員等による授業科目Taught by instructor(s) with practical experience
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- 学内単位互換科目としての受講可否Availability for inter-departmental credit transfer
- 不可
授業の到達目標Objectives to be Attained
SEQ 1
- DP観点 / Diploma Policy
Target Category - B(思考力・判断力・表現力等)
- マクロ経済学、国際経済学、および金融論などの隣接諸科目の理解と復習にもとづき、以下の4点を到達目標とする。
(1)国際金融の理論(国際マクロ経済学)を、学習済みのはずのマクロ経済学Ⅰを復習しながら、理解できるようになる。
(2)国際収支や為替レートなど、国際金融の理解に不可欠な経済データを、日本のみならず各国(米国、中国、EU)データも含めて収集・加工できるようになる。
(3)国際金融市場や国際通貨システムの歴史や制度を、単に歴史的叙述ではなく、理論に基づいて把握し、ビデオ教材も利用しながら、現代の視点から得られる教訓となるように認識できるようになる。
(4)頻発する金融危機・通貨危機・債務危機など、その発生メカニズムとその際に採用された経済政策を理論的かつ実証的に把握することによって、今後どのような国際金融規制が望ましいかを展望する。
授業の概要Method of Instruction
本講義は、「前半:国際マクロ経済学に基づいた国際金融の理論編」、「後半:国際金融の歴史・制度編」の2部構成になる。
前半の「理論編」では、まず全ての内容の基礎となる「国際収支」および「外国為替市場」の理解に基づき、「為替レート・モデル」(金利平価と購買力平価)と「国際収支モデル」(対外収支不均衡の調整とマンデル=フレミング・モデル)を詳説する。
後半の「歴史・制度編」では、国際金本位制とその崩壊、ブレトンウッズ体制とその崩壊、変動相場制への移行とプラザ合意、ラテンアメリカの債務危機、グローバル・インバランス、リーマンショックと世界金融危機、最適通貨圏とユーロおよび欧州債務危機といったテーマを、ビデオ視聴を織り交ぜながら、また前半の理論的基礎に沿いながら説明する。
事前・事後学習、時間等Study Required outside Class(Preparation, etc.)
・教科書、パワーポイントおよび動画を予習すること(3割)。
・講義中に指示された文献を読んで理解を深めること(3割)。
・上記をもとに、教科書の練習問題を解くこと(4割)。
授業計画(各回の授業内容)Course Outline
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- 1回目Session 1 対面授業 (Face-to-Face) 事前・事後学習 Study required outside class(Preparation/review):200分
- 国際金融を考える2つの視点(1):ミクロ的視点
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- 2回目Session 2 対面授業 (Face-to-Face) 事前・事後学習 Study required outside class(Preparation/review):200分
- 国際金融を考える2つの視点(2):マクロ的視点
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- 3回目Session 3 対面授業 (Face-to-Face) 事前・事後学習 Study required outside class(Preparation/review):200分
- 国際収支と国際投資ポジション(1):国民経済計算(SNA統計)と国際収支統計統計(BOP)
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- 4回目Session 4 対面授業 (Face-to-Face) 事前・事後学習 Study required outside class(Preparation/review):200分
- 国際収支と国際投資ポジション(2):対外経済取引のフロー統計とストック統計
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- 5回目Session 5 対面授業 (Face-to-Face) 事前・事後学習 Study required outside class(Preparation/review):200分
- 外国為替市場と為替レート(1):外国為替市場の仕組みと外国通貨に対する受給関係
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- 6回目Session 6 対面授業 (Face-to-Face) 事前・事後学習 Study required outside class(Preparation/review):200分
- 外国為替市場と為替レート(2):①名目為替レートと実質為替レート、②2国間為替レートと多国間レート(実効為替レート)、③直物為替レートと先物為替レート(為替リスクの回避)
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- 7回目Session 7 対面授業 (Face-to-Face) 事前・事後学習 Study required outside class(Preparation/review):200分
- 為替レートの短期モデルと金利平価(1):為替レートと利子率
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- 8回目Session 8 対面授業 (Face-to-Face) 事前・事後学習 Study required outside class(Preparation/review):200分
- 為替レートの短期モデルと金利平価(2):外国為替市場と貨幣市場
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- 9回目Session 9 対面授業 (Face-to-Face) 事前・事後学習 Study required outside class(Preparation/review):200分
- 第9回 為替レートの長期モデルと購買力平価(1):為替レートと物価水準およびインフレ率
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- 10回目Session 10 対面授業 (Face-to-Face) 事前・事後学習 Study required outside class(Preparation/review):200分
- 為替レートの長期モデルと購買力平価(2):為替レート、内外価格差、および生産性
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- 11回目Session 11 対面授業 (Face-to-Face) 事前・事後学習 Study required outside class(Preparation/review):200分
- 対外不均衡の調整メカニズム(1):対外不均衡の価格調整メカニズム
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- 12回目Session 12 対面授業 (Face-to-Face) 事前・事後学習 Study required outside class(Preparation/review):200分
- 対外不均衡の調整メカニズム(1):対外不均衡の所得調整メカニズム
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- 13回目Session 13 対面授業 (Face-to-Face) 事前・事後学習 Study required outside class(Preparation/review):200分
- 開放経済下でのマクロ経済学政策の有効性:マンデル=フレミング・モデル(1)
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- 14回目Session 14 対面授業 (Face-to-Face) 事前・事後学習 Study required outside class(Preparation/review):200分
- 開放経済下でのマクロ経済学政策の有効性:マンデル=フレミング・モデル(2)
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- 15回目Session 15 対面授業 (Face-to-Face) 事前・事後学習 Study required outside class(Preparation/review):200分
- 国際マクロ経済学(理論編)のまとめ
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- 16回目Session 16 対面授業 (Face-to-Face) 事前・事後学習 Study required outside class(Preparation/review):200分
- 国際通貨システム(1):国際金本位制とその崩壊
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- 17回目Session 17 対面授業 (Face-to-Face) 事前・事後学習 Study required outside class(Preparation/review):200分
- 国際通貨システム(2):ブレトンウッズ体制とその崩壊
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- 18回目Session 18 対面授業 (Face-to-Face) 事前・事後学習 Study required outside class(Preparation/review):200分
- 第18回 国際通貨システム(3):政策協調とプラザ合意
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- 19回目Session 19 対面授業 (Face-to-Face) 事前・事後学習 Study required outside class(Preparation/review):200分
- 国際通貨システム(4):金融のグローバル化と資本移動の自由化
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- 20回目Session 20 対面授業 (Face-to-Face) 事前・事後学習 Study required outside class(Preparation/review):200分
- 債務危機と通貨危機(1):ラテンアメリカの債務危機(1987年)
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- 21回目Session 21 対面授業 (Face-to-Face) 事前・事後学習 Study required outside class(Preparation/review):200分
- 債務危機と通貨危機(2):アジア通貨危機(1997年)
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- 22回目Session 22 対面授業 (Face-to-Face) 事前・事後学習 Study required outside class(Preparation/review):200分
- リーマンショック(2008年)と世界金融危機(1):不動産バブルとその崩壊
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- 23回目Session 23 対面授業 (Face-to-Face) 事前・事後学習 Study required outside class(Preparation/review):200分
- リーマンショック(2008年)と世界金融危機(2):証券化バブルとその崩壊
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- 24回目Session 24 対面授業 (Face-to-Face) 事前・事後学習 Study required outside class(Preparation/review):200分
- 通貨統合とユーロ(1):EUの通貨統合
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- 25回目Session 25 対面授業 (Face-to-Face) 事前・事後学習 Study required outside class(Preparation/review):200分
- 通貨統合とユーロ(2):欧州債務危機(2010年)
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- 26回目Session 26 対面授業 (Face-to-Face) 事前・事後学習 Study required outside class(Preparation/review):200分
- 資本規制と金融規制(1):資本規制とIMF
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- 27回目Session 27 対面授業 (Face-to-Face) 事前・事後学習 Study required outside class(Preparation/review):200分
- 資本規制と金融規制(2):金融規制とBIS
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- 28回目Session 28 対面授業 (Face-to-Face) 事前・事後学習 Study required outside class(Preparation/review):200分
- 国際金融論(制度・歴史編)のまとめ
教科書・テキストTextbooks
岩本武和『国際経済学 国際金融編』ミネルヴァ書房,2012年(2017年第2刷、2019年第3刷)2019年の第3刷を使用。
参考書等References
Paul R. Krugman, Maurice Obstfeld and Marc Melitz, International Economics, 12th. Edition, Prentice Hall, 2022. (第10版の国際マクロ経済学の部分の翻訳は、山形浩生・守岡桜訳『クルーグマン国際経済学 理論と政策 〔原書第10版〕(下) 金融編』丸善出版、2017年).
課題の種類・内容Homework, Assignments, etc.
・講義前に与えられた教科書、パワーポイントおよび動画を予習すること(3割)。
・講義後に講義中に指示された文献を読んで理解を深めること(3割)。
・上記をもとに、教科書の練習問題を解くこと(4割)。
課題に対するフィードバックの方法Feedback Method
授業前に提示する課題については、次回授業中に模範解答を提示し、フィードバックする。
成績評価Evaluation
成績評価の方法 / Evaluation Method
中間試験50%、期末試験50%。
観点別評価の入力項目(ルーブリックとその使用方法) / Target to be Evaluated
SEQ 1
- DP観点 / Diploma Policy
Target Category - B(思考力・判断力・表現力等)
- 成績評価の規準 / Evaluation Criteria
- マクロ経済学および金融論などの隣接諸科目の理解にもとづき、かつ本科目独自の方法論を十分に把握したうえで、具体的には、以下の4点を成績評価の規準 とする。
(1)国際金融の理論(国際マクロ経済学)を、学習済みのはずの初級マクロ経済学を復習しながら、理解できるようになる。
(2)国際収支や為替レートなど、国際金融の理解に不可欠な経済データを、日本のみならず各国(米国、中国、EU)データも含めて収集・加工できるようになる。
(3)国際金融市場や国際通貨システムの歴史や制度を、単に歴史的叙述ではなく、理論に基づいて把握し、ビデオ教材も利用しながら、現代の視点から得られる教訓となるように認識できるようになる。
(4)頻発する金融危機・通貨危機・債務危機など、その発生メカニズムとその際に採用された経済政策を理論的かつ実証的に把握することによって、今後どのような国際金融規制が望ましいかを展望する。
- 評価尺度(水準)/ Evaluation Scale
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- 卓越水準 / Outstanding
- マクロ経済学および金融論などの隣接諸科目の完全な理解にもとづき、かつ本科目独自の方法論を十分に把握したうえで、国際金融の理論や政策を明確に議論できる。
- 目標到達水準 / Excellent
- マクロ経済学および金融論などの隣接諸科目を理解し、かつ本科目独自の方法論を把握したうえで、国際金融の理論や政策を説明できる。
- 目標途上水準 / Good
- 教科書や参考文献を参照しながら、国際金融の理論や政策を説明できる。
- 目標下限水準 / Adequate
- 教科書や参考文献、かつ教員のアドバイスを必要としながら、国際金融の理論や政策を説明できる。
- 近接水準 / Inadequate
- 該当なし
- 評価不能 / Unevaluable
- 評価に値する情報が不足。または上記の水準に値せず、能力として評価に不適
- 成績評価に関するその他の確認事項 / Other Information for Evaluation
- 特になし。
履修上の注意Other Course Information
教科書、パワーポイント、ないしは動画を必ず予習し、かつ復習すること。