シラバス - 社会保障論(1)

  • ナンバリングコードCode
    ECO-soc3-324
  • 科目名Subject Name
    社会保障論(1)
  • 担当者名Instructor
    熊谷 成将
  • 単位Credit
    4
  • 履修年次Standard Year for Registration
    3-4
  • 学期Semester
    前期
  • クラスClass
  • 曜限Day/Period
    火曜2時限/金曜1時限
  • 教室Classroom
    1-410
  • 授業形態Course Type
    講義・演習
  • メディア授業Distance Learning Course
  • 備考Remarks
    使用言語:日本語
  • 実務経験のある教員等による授業科目Taught by instructor(s) with practical experience
  • 学内単位互換科目としての受講可否Availability for inter-departmental credit transfer
    不可

授業の到達目標Objectives to be Attained

SEQ 1

DP観点 / Diploma Policy
Target Category
B(思考力・判断力・表現力等)
・学びと研究の質を高める思考力や判断力を身に着けようとする受講者の到達目標は、低出生率などの現象が生じた要因を科学的に分析し(B3)、その分析結果の国際比較を通じて(B3)、筋道が立った論理を考えて客観的な結論を導き出せるようになる(B2)です。
・具体的な目標は、① 現物サービス(医療・介護・保育サービス)の特性を理解し、サービスを提供するためのマンパワーや財源に関し、現行制度の特徴と問題点をそれぞれ50字程度で要約できるようになることと、②「社会的入院」、「確定拠出」、「世代間(または世代内)の公平性」といった医療・介護や年金に関する基本用語を簡潔に説明できるようになることです。これらの目標に到達できたかを確認するための問題が筆記試験で出題されます。

授業の概要Method of Instruction

・シルバー民主主義(高齢者優遇の政治)が続いている日本では、増大する社会保障給付を賄うために現役世代の社会保険料率が右肩上がりで上昇すると目されています。それに加えて、就業者に占める非正規比率が高水準で推移すれば、公的年金や医療保険制度を通じて「正規が非正規を支える」構図の下、正社員の社会保障負担は一段と重くなります。これらに留意し、受講者は講義の前半に、人口構成や国の財政と関連付けて社会保障の基本的な仕組みを学修します。
・講義の後半に、基礎年金のトンネル効果や、社会保険料率の事業主負担引き上げが実質賃金率や雇用量に与える影響を理解して、実証分析の結果に基づく制度改革の重要性を学修します。
・「ミクロ経済学」、「公共経済学」、「財政学」や「マクロ経済学」と関連づけがある形で社会保障政策が解説され、講義の資料として医療や介護に関するデータ(医療費の動向、社会保障給付費など)や新聞記事が用いられます。

事前・事後学習、時間等Study Required outside Class(Preparation, etc.)

・本科目は講義科目であり、受講者は授業各回につき200分の学習(事前学習(5割), 事後学習(5割)が必要です。
・事前学習は、次回の講義対象をカバーしている教科書の該当範囲に目を通すことです。講義時間中に、教科書を用いて復習すべき箇所と各回のテーマに関する時事問題を伝えます。
・講義の復習として、次の2点が必要です。[1] 講義時間内に指示された課題に取り組むこと [2] 講義を終えた範囲に関して教科書を読み直すこと

授業計画(各回の授業内容)Course Outline

  • 1回目Session 1 対面授業 (Face-to-Face) 事前・事後学習 Study required outside class(Preparation/review):200分
    2030年代の日本の社会保障
  • 2回目Session 2 対面授業 (Face-to-Face) 事前・事後学習 Study required outside class(Preparation/review):200分
    社会保障統計の基礎
  • 3回目Session 3 対面授業 (Face-to-Face) 事前・事後学習 Study required outside class(Preparation/review):200分
    高齢化の進展と社会保障財政
  • 4回目Session 4 対面授業 (Face-to-Face) 事前・事後学習 Study required outside class(Preparation/review):200分
    社会保障費の動向とマクロ経済
  • 5回目Session 5 対面授業 (Face-to-Face) 事前・事後学習 Study required outside class(Preparation/review):200分
    女性の社会進出と少子化対策
  • 6回目Session 6 対面授業 (Face-to-Face) 事前・事後学習 Study required outside class(Preparation/review):200分
    子育て支援
  • 7回目Session 7 対面授業 (Face-to-Face) 事前・事後学習 Study required outside class(Preparation/review):200分
    所得再分配(1)
  • 8回目Session 8 対面授業 (Face-to-Face) 事前・事後学習 Study required outside class(Preparation/review):200分
    所得再分配(2)
  • 9回目Session 9 対面授業 (Face-to-Face) 事前・事後学習 Study required outside class(Preparation/review):200分
    疾病構造の変化と医療の技術進歩
  • 10回目Session 10 対面授業 (Face-to-Face) 事前・事後学習 Study required outside class(Preparation/review):200分
    医療費増加の要因, 国民医療費の動向
  • 11回目Session 11 対面授業 (Face-to-Face) 事前・事後学習 Study required outside class(Preparation/review):200分
    医療サービスの特性, 医療提供体制
  • 12回目Session 12 対面授業 (Face-to-Face) 事前・事後学習 Study required outside class(Preparation/review):200分
    中間まとめ
  • 13回目Session 13 対面授業 (Face-to-Face) 事前・事後学習 Study required outside class(Preparation/review):200分
    医療保険制度, 医師の偏在
  • 14回目Session 14 対面授業 (Face-to-Face) 事前・事後学習 Study required outside class(Preparation/review):200分
    医療費の支払い方式, 診療報酬
  • 15回目Session 15 対面授業 (Face-to-Face) 事前・事後学習 Study required outside class(Preparation/review):200分
    中医協, 費用対効果, 薬価差益
  • 16回目Session 16 対面授業 (Face-to-Face) 事前・事後学習 Study required outside class(Preparation/review):200分
    家族介護と公的介護保険利用の実態
  • 17回目Session 17 対面授業 (Face-to-Face) 事前・事後学習 Study required outside class(Preparation/review):200分
    措置制度と介護保険: 医療から介護へ
  • 18回目Session 18 対面授業 (Face-to-Face) 事前・事後学習 Study required outside class(Preparation/review):200分
    公的介護保険制度の仕組み
  • 19回目Session 19 対面授業 (Face-to-Face) 事前・事後学習 Study required outside class(Preparation/review):200分
    介護サービスの特性
  • 20回目Session 20 対面授業 (Face-to-Face) 事前・事後学習 Study required outside class(Preparation/review):200分
    介護の費用負担と財源
  • 21回目Session 21 対面授業 (Face-to-Face) 事前・事後学習 Study required outside class(Preparation/review):200分
    介護給付の地域差, 介護提供体制
  • 22回目Session 22 対面授業 (Face-to-Face) 事前・事後学習 Study required outside class(Preparation/review):200分
    介護保険の国際比較, 介護サービスの現金給付
  • 23回目Session 23 対面授業 (Face-to-Face) 事前・事後学習 Study required outside class(Preparation/review):200分
    公的年金の存在意義・構造
  • 24回目Session 24 対面授業 (Face-to-Face) 事前・事後学習 Study required outside class(Preparation/review):200分
    公的年金と家計貯蓄, 公的年金の運営方式
  • 25回目Session 25 対面授業 (Face-to-Face) 事前・事後学習 Study required outside class(Preparation/review):200分
    所得再分配機能, トンネル効果
  • 26回目Session 26 対面授業 (Face-to-Face) 事前・事後学習 Study required outside class(Preparation/review):200分
    第三号被保険者, 女性と年金
  • 27回目Session 27 対面授業 (Face-to-Face) 事前・事後学習 Study required outside class(Preparation/review):200分
    年金制度の維持可能性, 公的年金の過大給付
  • 28回目Session 28 対面授業 (Face-to-Face) 事前・事後学習 Study required outside class(Preparation/review):200分
    社会保険料の帰着

教科書・テキストTextbooks

駒村康平編『新・福祉の総合政策』 創成社 2018年

参考書等References

駒村康平『日本の年金』 岩波新書 2014年
西沢和彦『医療保険制度の再構築』慶應義塾大学出版会 2020年
村上雅子『社会保障の経済学 (第2版)』東洋経済新報社 1999年
兪炳匡『「改革」のための医療経済学』メディカ出版 2006年

課題の種類・内容Homework, Assignments, etc.

復習用の練習問題(提出不要)を講義中に随時、配布します。

課題に対するフィードバックの方法Feedback Method

課題に対する解説・講評は、講義中に行われます。50字〜100字の文章による解答の作成方法が講義中に解説されます。

成績評価Evaluation

成績評価の方法 / Evaluation Method

・「成績評価の基準」を満たし、DP観点別評価B2とB3を包括する小テストと期末試験を行います。「評価尺度」に沿って受講者の「授業の到達目標」の到達度を評価します。
・期末試験(75%)、授業中課題・小テスト(25%)。出席点なし。小テストを1回もしくは2回実施(予定)。小テスト未受験者も期末試験を受験できます。

観点別評価の入力項目(ルーブリックとその使用方法) / Target to be Evaluated

SEQ 1

DP観点 / Diploma Policy
Target Category
B(思考力・判断力・表現力等)
成績評価の規準 / Evaluation Criteria
・受講者が、低出生率などの現象が生じた要因を科学的に分析し(B3)、その分析結果の国際比較を通じて(B3)、筋道が立った論理を考えて客観的な結論を導き出すことができる(B2)かを、小テストと期末試験で評価します。
評価尺度(水準)/ Evaluation Scale
卓越水準 / Outstanding
筋道が立った論理を考えて客観的な結論を独力で十分に導き出せる。
目標到達水準 / Excellent
筋道が立った論理を考えて客観的な結論を概ね独力で導き出せる。
目標途上水準 / Good
筋道が立った論理を考えて客観的な結論を導き出す能力が十分でない。
目標下限水準 / Adequate
基本語句を理解しているが、客観的な結論を導き出す能力に欠けている。
近接水準 / Inadequate
該当なし
評価不能 / Unevaluable
評価に値する情報が不足。または上記の水準に値せず、能力として評価に不適。
成績評価に関するその他の確認事項 / Other Information for Evaluation

履修上の注意Other Course Information

・ミクロ経済学とマクロ経済学の基礎を受講者が理解しているという前提で、講義が進みます。これらの科目の未履修者は、講義の理解に必要な知識を適宜、各自で補ってください。
・受講者が緊張感を削がれることなく学修できるよう、講義を進めます。初回に加えて2回目以降も随時、「講義時間中の禁止事項(厳守)」を受講者に伝えます。
・双方向のテレビ会議方式(遠隔講義)で講義を行わざるを得ない場合でも、対面講義に準じる形で試験を実施します。

(向学相談) 金曜日1時限終了後に研究室を訪問してください。