シラバス - 演習C(1)
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- ナンバリングコードCode
- THE-spe3-408
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- 科目名Subject Name
- 演習C(1)
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- 担当者名Instructor
- 須藤 伊知郎
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- 単位Credit
- 2
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- 履修年次Standard Year for Registration
- 1-4/3-4
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- 学期Semester
- 前期
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- クラスClass
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- 曜限Day/Period
- 月曜4時限
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- 教室Classroom
- コミュニケーションプラザ学科室
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- 授業形態Course Type
- 講義・演習
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- メディア授業Distance Learning Course
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- 備考Remarks
- 演習A
使用言語:日本語
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- 実務経験のある教員等による授業科目Taught by instructor(s) with practical experience
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- 学内単位互換科目としての受講可否Availability for inter-departmental credit transfer
- 可
授業の到達目標Objectives to be Attained
SEQ 1
- DP観点 / Diploma Policy
Target Category - B(思考力・判断力・表現力等)
- 神学的思考力を備えて批判的判断を重ね、キリスト教精神を究明し、それを発信することができる。
・新約聖書のギリシア語原典を、その著者と最初の読者が置かれていた文脈に照らして批判的に検討し、学問的注解書を参照して解釈を行うことができる。
SEQ 2
- DP観点 / Diploma Policy
Target Category - C(総合的な学修経験・創造性)
- 神が全世界を創造されたことに応答し、被造物と共に生きることを目指して、その祝福・平安・保全に対する責任を担うことができる。
・聖書テクストを通した神の語りかけを聞き取り、第二のテクストである我々読者自身が置かれている文脈を意識し、それに真摯に応答していくことができる。
授業の概要Method of Instruction
この演習は、新約各文書のテクストを読み解き、その使信を解釈を通じて明らかにする新約聖書解釈の方法を学ぶことを目的とする。特定の歴史的・社会的状況において成立した文書を、その著者と最初の読者が置かれていた文脈に照らして、批判的に検討し、まず聖書の現場で語られている声に耳を傾ける。そのことは振り返って、第二のテクストである我々読者自身が置かれている文脈を意識させ、現代の現場に響いて来るメッセージを聴き取ることへとつながる。
教科書に沿って新約聖書解釈の方法を学んでゆく。今年度前期は、本文批評、資料・様式・編集、社会史的研究、社会科学批評を取り上げる。履修者が輪番で教科書の内容を要約発表し、クラス全体で討議する。
事前・事後学習、時間等Study Required outside Class(Preparation, etc.)
本科目は演習科目である。授業各回に以下のような自主学習が求められる。
毎回教科書の該当部分を熟読し、積極的に討議に参加すること。教科書で不明な用語や事柄に突き当たった場合は、授業初回に紹介する参考文献に図書館で当たって必ず調べておくこと。事後に授業の内容を振り返り、自分の「読み」を再検討すること。予習2時間、復習1時間20分。
授業計画(各回の授業内容)Course Outline
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- 1回目Session 1 対面授業 (Face-to-Face) 事前・事後学習 Study required outside class(Preparation/review):200分
- はじめに、新約釈義とは
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- 2回目Session 2 対面授業 (Face-to-Face) 事前・事後学習 Study required outside class(Preparation/review):200分
- 「序論」
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- 3回目Session 3 対面授業 (Face-to-Face) 事前・事後学習 Study required outside class(Preparation/review):200分
- 「1 本文批評」(1) 本文批評とは何か、新約聖書の写本
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- 4回目Session 4 対面授業 (Face-to-Face) 事前・事後学習 Study required outside class(Preparation/review):200分
- 「1 本文批評」(2) 本文批評の方法論、現在の主要な校訂本
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- 5回目Session 5 対面授業 (Face-to-Face) 事前・事後学習 Study required outside class(Preparation/review):200分
- 「1 本文批評」(3) 適用例
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- 6回目Session 6 対面授業 (Face-to-Face) 事前・事後学習 Study required outside class(Preparation/review):200分
- 「2 資料・様式・編集」(1) 序、歴史的・批判的研究、資料問題
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- 7回目Session 7 対面授業 (Face-to-Face) 事前・事後学習 Study required outside class(Preparation/review):200分
- 「2 資料・様式・編集」(2) 様式史、編集史、歴史的・批判的分析の問題
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- 8回目Session 8 対面授業 (Face-to-Face) 事前・事後学習 Study required outside class(Preparation/review):200分
- 「2 資料・様式・編集」(3) 適用例
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- 9回目Session 9 対面授業 (Face-to-Face) 事前・事後学習 Study required outside class(Preparation/review):200分
- 「3 社会史的研究」(1) 序、社会史的研究以前(宗教史的研究)、社会史的研究の端緒と展開
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- 10回目Session 10 対面授業 (Face-to-Face) 事前・事後学習 Study required outside class(Preparation/review):200分
- 「3 社会史的研究」(2) 適用例:シリア・フェニキアの女の癒し
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- 11回目Session 11 対面授業 (Face-to-Face) 事前・事後学習 Study required outside class(Preparation/review):200分
- 「3 社会史的研究」(3) 適用例:ゲラサの悪霊憑き
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- 12回目Session 12 対面授業 (Face-to-Face) 事前・事後学習 Study required outside class(Preparation/review):200分
- 「4 社会科学批評」(1) 序、聖書学と社会学の出会い、社会状況への関心、社会科学批評の熟成
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- 13回目Session 13 対面授業 (Face-to-Face) 事前・事後学習 Study required outside class(Preparation/review):200分
- 「4 社会科学批評」(2) 適用例:エルサレム会議の構図
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- 14回目Session 14 対面授業 (Face-to-Face) 事前・事後学習 Study required outside class(Preparation/review):200分
- 「4 社会科学批評」(3) 適用例:邪視告発の応酬
教科書・テキストTextbooks
浅野淳博、伊東寿泰、須藤伊知郎、辻学、中野実、廣石望、前川裕、村山由美『新約聖書解釈の手引き』(日本キリスト教団出版局、2016年)(著者割引で購入可)
参考書等References
Nestle-Aland, Novum Testamentum Graece, 28.Aufl. Stuttgart 2012/新約聖書翻訳委員会訳『新約聖書』(岩波書店、2004年)/『聖書 聖書協会共同訳』(日本聖書協会、2018年)/日本基督教団出版局編『聖書学方法論』(日本基督教団出版局、1979年)/木幡藤子、青野太潮編『聖書学の方法と諸問題』(現代聖書講座 2)、(日本基督教団出版局、1996年)/G.D.フィー著、永田竹司訳『新約聖書の釈義──本文の読み方から説教まで』(教文館、第3版、2008年)/その他、授業初回に参考文献表を配布
課題の種類・内容Homework, Assignments, etc.
適用例の聖書箇所を、可能であればギリシア語原典で、そうでなければ複数の翻訳を突き合わせ読み解き、自分なりの解釈を考えて討議に参加すること。
課題に対するフィードバックの方法Feedback Method
クラスで聖書箇所の各自の解釈を問い、それに応答する。
成績評価Evaluation
成績評価の方法 / Evaluation Method
発表(50%)および討議への積極的な参加(50%)に基づいて行う。
観点別評価の入力項目(ルーブリックとその使用方法) / Target to be Evaluated
SEQ 1
- DP観点 / Diploma Policy
Target Category - B(思考力・判断力・表現力等)
- 成績評価の規準 / Evaluation Criteria
- ・新約聖書のギリシア語原典を、その著者と最初の読者が置かれていた文脈に照らして批判的に検討し、学問的注解書を参照して解釈することができる。
- 評価尺度(水準)/ Evaluation Scale
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- 卓越水準 / Outstanding
- 学習した研究方法を新約聖書の翻訳テクストに適用し、学問的注解書を参照しつつ批判的に分析及び総合した独自の解釈の結果を、他の神学的知見と照らして発信することができる。
- 目標到達水準 / Excellent
- 学習した研究方法を新約聖書の翻訳テクストに適用し、学問的注解書を参照しつつ批判的に分析し、総合的な解釈の結果を発信することができる。
- 目標途上水準 / Good
- 学習した研究方法を新約聖書の翻訳テクストに適用して不十分ながら批判的に分析し、解釈の結果を発信することができる。
- 目標下限水準 / Adequate
- 学習した研究方法を実際に新約聖書の翻訳テクストに適用することができる。
- 近接水準 / Inadequate
- 実際の新約聖書の翻訳テクストへの適用は難しいが、研究方法の基礎を獲得している。
- 評価不能 / Unevaluable
- 評価に値する情報が不足している、ないし思考力・判断力・表現力等が上記の水準に到達しておらず、評価が不能である。
SEQ 2
- DP観点 / Diploma Policy
Target Category - C(総合的な学修経験・創造性)
- 成績評価の規準 / Evaluation Criteria
- ・聖書テクストを通した神の語りかけを聞き取り、第二のテクストである我々読者自身が置かれている文脈を意識し、それに真摯に応答していくことができる。
- 評価尺度(水準)/ Evaluation Scale
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- 卓越水準 / Outstanding
- 聖書テクストの解釈を通して、人権、平和、環境に関する問いかけを聞き取り、それらに創造的に応答し、十全に責任を担っていくことができる。
- 目標到達水準 / Excellent
- 聖書テクストの解釈を通して、人権、平和、環境に関する問いかけを聞き取り、それらに応答し、責任を担っていくことができる。
- 目標途上水準 / Good
- 聖書テクストの解釈を通して、人権、平和、環境に関する問いかけを聞き取り、不十分ながらそれらに応答を試みることができる。
- 目標下限水準 / Adequate
- 聖書テクストの解釈を通して、人権、平和、環境に関する問いかけを聞き取ることができる。
- 近接水準 / Inadequate
- 聖書テクスト解釈の研究方法の基礎を獲得しているが、人権、平和、環境に関する問いかけを聞き取るまでには至っていない。
- 評価不能 / Unevaluable
- 評価に値する情報が不足している、ないし総合的な学修経験・創造性が上記の水準に到達しておらず、評価が不能である。
- 成績評価に関するその他の確認事項 / Other Information for Evaluation
履修上の注意Other Course Information
履修者は新約概論A/Bを既習であることが望ましい。また、ギリシア語I/IIも並行して受講するか、既習であることが望ましい。