シラバス - 西洋文学B(2)
-
- ナンバリングコードCode
-
- 科目名Subject Name
- 西洋文学B(2)
-
- 担当者名Instructor
- 藤野 功一
-
- 単位Credit
- 2
-
- 履修年次Standard Year for Registration
- 1-4
-
- 学期Semester
- 後期
-
- クラスClass
-
- 曜限Day/Period
- 月曜3時限
-
- 教室Classroom
- 4-303
-
- 備考Remarks
- 使用言語:日本語
-
- 実務経験のある教員等による授業科目Taught by instructor(s) with practical experience
授業の到達目標Objectives to be Attained
アメリカにおけるモダニズム文学と大衆文学の関係を概観し、19世紀の大衆文学と20世紀前半のモダニズム文学を具体的に比較しながら、20世紀前期から中期にかけて、大衆市場とマスメディアが急速に拡大するなか、アメリカのモダニズム作家たちがどのように大衆文学の要素を取り入れ、時代の欲望や表象を捉えようとしたかを理解する。
授業の概要Course Overview
19世紀の凡庸な文学者であり、ロマン主義的な二流文学を書いたW.C.フォークナー(ウィリアム・フォークナーの曽祖父)の文学『勇敢なスペイン娘』を読み、その文学と比較して、ガートルード・スタイン、F・スコット・フィッツジェラルド、アーネスト・ヘミングウェイ、ウィリアム・フォークナーといったいわゆるアメリカン・モダニズムの作家たちの作品がどのように読めるかを理解する。また、20世紀初期のモダニズム文学から大きな影響を受けたジェイムズ・エイジー、リチャード・ライト、ラルフ・エリスンの作品、そしてまた、この時代に作家としての成功を目指しながらも、結局はF・スコット・フィッツジェラルドの妻という位置付けのまま、高い評価が与えられないままに終わった女性作家のゼルダ・フィッツジェラルドの作品を解説し、これまでの文学史で無視されてきた作家とその作品を意識しつつ、代表的なモダニズム作家たちの大衆市場に向けての戦略とその作品の内容がどのように結びついているかについて解説し、各回で小レポートを提出してもらう。
事前・事後学習、時間等Study Required outside Class(Preparation, etc.)
事前学習では、「授業計画」欄の各回の授業内容について、教科書の該当部分を読む。(90分)
事後学習では、毎回の授業内容のノートとともにテキストを再読し、毎回授業課題を提出し、授業内容を十分に知識に定着させる。(90分)
授業計画(各回の授業内容)Course Outline
-
- 1回目Session 1
- 大衆文学とアメリカン・モダニズム:19世紀から20世紀への発展
-
- 2回目Session 2
- 「大いなる分断」:19世紀における知的階級と大衆の分断から文学生産と市場の開拓まで/『勇敢なスペイン娘』第1章
-
- 3回目Session 3
- 作家たちのセレブリティ化からモダニズムの時代の文学生産まで/『勇敢なスペイン娘』第2章
-
- 4回目Session 4
- 文学生産と市場の開拓:ガートルード・スタイン/『勇敢なスペイン娘』第3章
-
- 5回目Session 5
- 勇敢なスペイン娘』と比較しながらフォークナーの短編を読む:「エミリーにバラを」
-
- 6回目Session 6
- 作家たちのセレブリティ化とミドルブラウ:ゼルダ・フィッツジェラルド/『勇敢なスペイン娘』第4章
-
- 7回目Session 7
- 作家たちのセレブリティ化とミドルブラウ:スコット・フィッツジェラルド/『勇敢なスペイン娘』第5章
-
- 8回目Session 8
- 文学と人種:ヘミングウェイ/『勇敢なスペイン娘』第6章
-
- 9回目Session 9
- メディアへの愛:『ソブ・シスター』とフォークナーの『サンクチュアリ』/『勇敢なスペイン娘』第7章
-
- 10回目Session 10
- 作家とアンソロジー:『ポータブル・フォークナー』/『勇敢なスペイン娘』第8章
-
- 11回目Session 11
- 1930年代以降の作家と大衆表象:『我らが有名人を讃えよう』/『勇敢なスペイン娘』第9章
-
- 12回目Session 12
- 1930年代以降の作家と読者:『アメリカの息子』と『ブラック・ボーイ』/『勇敢なスペイン娘』第10章
-
- 13回目Session 13
- 1930年代以降の黒人作家:『見えない人間』/『勇敢なスペイン娘』第11章
-
- 14回目Session 14
- 『勇敢なスペイン娘』と比較しながらフォークナーの短編を読む:「孫むすめ」
教科書・テキストTextbooks
『アメリカン・モダニズムと大衆文学』藤野功一編著(金星堂)
参考書等References
W.C.フォークナー『勇敢なスペイン娘』
ウィリアム・フォークナー「エミリーにバラを」「孫むすめ」
(参考書は、授業中にWeb上で必要な部分を呈示する)
課題の種類・内容Homework, Assignments, etc.
授業中で扱ったテキストについて、毎回、小課題の提出を課し、また、授業の中間と最後で2回のレポートを課す
課題に対するフィードバックの方法Feedback Method
Google Classroomで、毎回の課題提出を点検し、フィードバックを行う。
成績評価の方法・規準Evaluation Criteria/Method
授業参加度(10%)、授業中の課題(30%)およびレポート(60%)で総合評価する。
履修上の注意Other Course Information
出席回数の三分の一以上を欠席した場合、また、レポートを提出しなかった場合は単位を与えない。