シラバス - 哲学B(1)

  • ナンバリングコードCode
  • 科目名Subject Name
    哲学B(1)
  • 担当者名Instructor
    柿木 伸之
  • 単位Credit
    2
  • 履修年次Standard Year for Registration
    1-4
  • 学期Semester
    後期
  • クラスClass
  • 曜限Day/Period
    水曜2時限
  • 教室Classroom
    4-203
  • 備考Remarks
    哲学(1)

    使用言語:日本語
  • 実務経験のある教員等による授業科目Taught by instructor(s) with practical experience

授業の到達目標Objectives to be Attained

哲学とは、生きることをその構成要素から徹底的に問い、それをつうじて生きる可能性を見通そうとする思考の営みです。この講義は、西洋哲学の問いの軌跡をたどることで、生きることを根底から問う思考へ誘うものです。そのような趣旨にもとづき、以下の三点を講義の到達目標として挙げておきます。
(1)西洋哲学についての基礎的な知識を習得する。
(2)生活のなかで直面する問題について、みずから問いを立てて考えられるようになる。その際に、西洋哲学の洞察を生かせるようになる。
(3)将来専門とする分野の現代世界における位置と意義を、みずから問うことができるようになる。

授業の概要Course Overview

この講義では、自己と他者、そして自由というテーマに哲学者が取り組んだ軌跡が、西洋哲学の歴史をたどりながら説明されます。説明にはスライドなどが用いられます。節目ごとにディスカッションの機会も設けたいと思います。

事前・事後学習、時間等Study Required outside Class(Preparation, etc.)

講義で説明に用いる資料を事前に閲覧できるようにしますので、目を通して問題意識を持って講義に臨んでください(約0.5時間)。講義後は、自分のノートと資料を見返すとともに、紹介された参考文献などを一冊でも読むようにしてください(約2.5時間)。

授業計画(各回の授業内容)Course Outline

  • 1回目Session 1
    イントロダクション:哲学することへの誘い
  • 2回目Session 2
    自己と他者を考えるI:魂としての自己(ソクラテス、プラトン、中世哲学)
  • 3回目Session 3
    自己と他者を考えるII:生存の複数性(アリストテレス、アーレント)
  • 4回目Session 4
    自己と他者を考えるIII:他者との共同性における自己(ヘーゲル、フッサール)
  • 5回目Session 5
    自己と他者を考えるIV:他者とは何か(サルトル、レヴィナス)
  • 6回目Session 6
    自己と他者を考えるV:他者との関係を媒介する言葉(ブーバー、ベンヤミン)
  • 7回目Session 7
    自己と他者を考えるVI:他者を歓待する(カント、シェレール、デリダ)
  • 8回目Session 8
    自由を問うI:自由であるとはどういうことか(アーレント、J・S・ミル)
  • 9回目Session 9
    自由を問うII:決定論の思想(ストア派、スピノザ)
  • 10回目Session 10
    自由を問うIII:自律としての自由(カント)
  • 11回目Session 11
    自由を問うIV:自由と悪(アウグスティヌス、カント、シェリング)
  • 12回目Session 12
    自由を問うV:他者とのあいだで自由を実現する(ルソー、ヘーゲル)
  • 13回目Session 13
    自由を問うVI:他者への応答と正義(プラトン、ロールズ、デリダ)
  • 14回目Session 14
    まとめと討論:他者とのあいだで自由に生きるとはどういうことか?

教科書・テキストTextbooks

教科書などはとくに指定しません。毎回資料を用意し、Moodleであらかじめ参照できるようにします。

参考書等References

西洋哲学史について、手許に置いて折々に参照できるものとして、以下のものを挙げておきます。熊野純彦『西洋哲学史』(全二冊、岩波新書、2006年)、坂部恵、加藤尚武編『命題コレクション哲学』(ちくま学芸文庫、2008年)。これらの他、講義のなかで随時参考になる書籍などを紹介していきます。

課題の種類・内容Homework, Assignments, etc.

毎回、講義をつうじて考えたことを、ひと言コメントとして書いていただきます。その内容を評価の対象とします。学期末には試験を行ないます。具体的な方法についてはMoodleをつうじて連絡しますので、情報の確認を怠らないようにしてください。

課題に対するフィードバックの方法Feedback Method

各回の講義のコメントには、次の回の講義の冒頭で応答するようにします。学期末試験については、全体的な講評を行ないます。

成績評価の方法・規準Evaluation Criteria/Method

各回の講義へのコメントの内容(30%)と学期末試験の成績(70%)を総合して評価します。講義への出席は評価の対象ではありません。各回の講義のテーマに関するコメントの内容で参加の積極性を測ります。試験は、一問一答の問題と論述問題によって構成されます。

履修上の注意Other Course Information

上記の授業計画は、受講者と相談のうえで変更することがあります。