シラバス - 刑事模擬裁判
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- ナンバリングコードCode
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- 科目名Subject Name
- 刑事模擬裁判
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- 担当者名Instructor
- 一瀬 悦朗
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- 単位Credit
- 2
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- 履修年次Standard Year for Registration
- 3-4
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- 学期Semester
- 前期
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- クラスClass
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- 曜限Day/Period
- 月曜3時限
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- 教室Classroom
- 講義室22
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- 備考Remarks
- 使用言語:日本語
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- 実務経験のある教員等による授業科目Taught by instructor(s) with practical experience
授業の到達目標Objectives to be Attained
授業の到達目標は,公訴提起(起訴),公判前整理手続,証拠調べを経て判決に至るまでの第一審公判手続において,法曹三者である検察官,裁判官,弁護人それぞれがどのような役割を果たすのかについて,基本的な知識と理解を獲得すること,また,受講時までに身につけた法律的知識と法律的判断能力を前提として,刑事法全般におけるさまざまな論点が,実際の事件においてどのように現実化するのかを理解すること,さらには証拠の評価やそれに基づく事実認定の基本的な手法,認定した事実に対する擬律判断能力を身に付けることである。
授業の概要Method of Instruction
殺意否認の殺人未遂事件を題材とした刑事模擬記録を使用し,裁判員裁判における公判手続の全体的な流れと,その過程における法曹三者の役割や活動に関する基礎的な事項を理解させることを目的とする。
1 事案の概要
本件は,被告人(西村伸也)が,JR水戸駅ペデストリアンデッキ で,被害者(木田信二)に対し,殺意をもって,その腹部を包丁で1回突き刺したものの,全治約1か月間の腹部刺創等の傷害を負わせるにとどまり,死亡させるに至らなかったという事案である。
2 公判経過
被告人は,被害者の体と腕の間を狙って包丁を突き出したが,被害者が被告人の腕をつかんできたので,偶然にも,包丁が被害者のおなかに刺さってしまった旨弁解しており,殺意の有無(殺意にかかわる行為態様及びその認識)が争点となっている。
3 授業の概要
刑事模擬記録(司法研修所刑事裁判教官室作成の記録教材)に基づき,各証拠の評価や事実認定などにつき議論を交えて理解を深めていく。
また,証人尋問及び被告人質問を実施し,その結果に基づいて,争点となる殺人の故意につき受講生各自に判断してもらう。
最終的には,殺意の有無に関する認定とその根拠を記載したレポートを提出してもらう。
事前・事後学習、時間等Study Required outside Class(Preparation, etc.)
使用教材は,刑事模擬記録(司法研修所刑事裁判教官室作成の記録教材)を配布するが、各授業時に,次回の授業で必要となる資料を順次指示し,検討テーマ等を明示するので,各自それら資料を精査して検討テーマ等につき考えをまとめておくこと。
授業計画(各回の授業内容)Course Outline
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- 1回目Session 1
- オリエンテーション(授業の進め方と使用する教材についての説明)
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- 2回目Session 2
- 捜査法概観(強制捜査法定主義)
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- 3回目Session 3
- 捜査法概観(強制捜査と任意捜査)
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- 4回目Session 4
- 起訴手続(訴因・公訴事実・訴因変更等も検討)
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- 5回目Session 5
- 刑事裁判手続概観(司法研修所作成ビデオ)
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- 6回目Session 6
- 公判前整理手続1(主張整理)
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- 7回目Session 7
- 公判前整理手続2(証拠調べ請求・証拠開示請求)
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- 8回目Session 8
- 第1回公判の審理手続概観
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- 9回目Session 9
- 第1回公判の審理手続実施
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- 10回目Session 10
- 第2回公判の審理手続概観
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- 11回目Session 11
- 第2回公判の審理手続実施
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- 12回目Session 12
- 第3回公判の審理手続概観
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- 13回目Session 13
- 第3回公判の審理手続実施
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- 14回目Session 14
- 判決・全体講評
教科書・テキストTextbooks
なし
参考書等References
各自使用している刑法,刑事訴訟法の教科書
課題の種類・内容Homework, Assignments, etc.
なし
課題に対するフィードバックの方法Feedback Method
なし
成績評価の方法・基準Evaluation Criteria/Method
提出されたレポート(殺意の有無に関する認定とその根拠を記載したもの)を対象として,事実認定が証拠に基づきなされているか,認定した事実を前提として適正な評価が示されているかなどの観点から評価する。
事前・事後の連絡なく3回を超えて欠席した場合は単位認定しない。