シラバス - 民法(親族・相続)

  • ナンバリングコードCode
  • 科目名Subject Name
    民法(親族・相続)
  • 担当者名Instructor
    宮崎 幹朗
  • 単位Credit
    4
  • 履修年次Standard Year for Registration
    2-4
  • 学期Semester
    前期
  • クラスClass
  • 曜限Day/Period
    木曜1時限/月曜1時限
  • 教室Classroom
    ダミー教室
  • 備考Remarks
    使用言語:日本語
  • 実務経験のある教員等による授業科目Taught by instructor(s) with practical experience

授業の到達目標Objectives to be Attained

 本授業では、民法第4編「親族」および第5編「相続」の部分を中心にして、民法の一部である家族に関する法律や制度を学びます。民法はさまざまな法律の基本となる科目であり、法律学を学ぶ者にとって不可欠な知識や概念を示しています。基本的な知識の修得を目指し、法律的な考え方を学びます。
 家族に関する法は、民法典の条文だけを対象とするわけではなく、周辺のさまざまな法律を視野に入れる必要があり。変化する社会で生じるさまざまな問題について考慮する必要があります。また、民法の中でも、夫婦や親子などの家族・親族に関わる問題を対象とし、微妙な人間関係に関わる問題を取り扱う領域でもあるため、契約などの財産法的な処理とは異なる性質も有しており、合理的な問題処理では測れない部分がある分野でもあります。そのような特徴を有した分野であることを理解し、家族に関する問題の解決・紛争処理の手続きをしっかりと理解できるように心がけることを目指します。
 現代社会において生じる家族に関する問題について深い関心を持ち、家族に関する基本的な法律の仕組みやルールのあり方および学説や判例の基本的な考え方を学び、基本的知識を身に着け、柔軟にものごとを考えることができるようになることを目指します。

授業の概要Method of Instruction

 本授業では、民法典第4編および第5編を主たる対象とし、夫婦関係、親子関係および親族関係に関する法律問題や相続に関する法律問題を学んでいきます。毎回の授業は、配布するレジュメと教科書を用いながら進めていきます。できるだけ具体的な事例や判例を取り上げながら、問題点を指摘しながら授業を進めていきます。

事前・事後学習、時間等Study Required outside Class(Preparation, etc.)

 レジュメを配布しますが、事前にMoodleにアップしますので、あらかじめレジュメに目を通すとともに、教科書の該当箇所を読むなどして、予習しておいてください。1時間ほどの時間をかけてください。
 また、授業の復習として復習問題を出しますので、授業終了後に取り組んでください。特に、授業で取り上げた判例については再度確認するようにしてください。2時間程度の時間をかけてください。

授業計画(各回の授業内容)Course Outline

  • 1回目Session 1
    ガイダンス、家族法の変遷・概要、家庭裁判所の役割(教科書序)
  • 2回目Session 2
    家事紛争の処理、親族概念、氏と名と戸籍(教科書第Ⅰ部第1章1~3、第3章4)
  • 3回目Session 3
    婚約、婚姻の成立とその要件(教科書第Ⅰ部第2章1)
  • 4回目Session 4
    婚姻の無効と取消し(教科書第Ⅰ部第2章2)
  • 5回目Session 5
    婚姻の効果と夫婦間の権利義務(教科書第Ⅰ部第2章3)
  • 6回目Session 6
    内縁関係・事実婚の法的保護(教科書第Ⅰ部第2章6)
  • 7回目Session 7
    離婚手続きの概要、協議離婚制度の問題点(教科書第Ⅰ部第2章4)
  • 8回目Session 8
    裁判離婚原因と手続き(教科書第Ⅰ部第2章4)
  • 9回目Session 9
    有責配偶者からの離婚請求(教科書第Ⅰ部第2章4)
  • 10回目Session 10
    離婚の効果1:離婚給付・財産分与(教科書第Ⅰ部第2章5)
  • 11回目Session 11
    離婚の効果2:離婚後の未成年子の監護、子の引渡し(教科書第Ⅰ部第2章5)
  • 12回目Session 12
    嫡出実親子関係の成立、嫡出推定と嫡出否認制度(教科書第Ⅰ部第3章1・2)
  • 13回目Session 13
    非嫡出実親子関係の成立と認知制度、生殖補助医療と親子関係(教科書第Ⅰ部第3章2)
  • 14回目Session 14
    養親子関係の成立と解消、特別養子縁組制度(教科書第Ⅰ部第3章3)
  • 15回目Session 15
    養子縁組の無効・取消し、虚偽の出生届と親子関係(教科書第Ⅰ部第3章3)
  • 16回目Session 16
    親権制度、親権喪失と親権停止、児童虐待問題(教科書第Ⅰ部第4章)
  • 17回目Session 17
    後見制度(成年後見制度、未成年後見制度)、扶養(教科書第Ⅰ部第5章・第6章)
  • 18回目Session 18
    相続制度の概要(法定相続と遺言相続)、相続回復請求権、相続財産の管理(教科書第Ⅱ部第1章・第2章1)
  • 19回目Session 19
    法定相続人の範囲、相続欠格・相続人廃除制度(教科書第Ⅱ部第2章2~4)
  • 20回目Session 20
    法定相続分と具体的相続分(特別受益と寄与分)、特別寄与料、配偶者居住権(教科書第Ⅱ部第3章1~3)
  • 21回目Session 21
    相続財産の範囲、包括承継と一身専属権、共同相続関係と遺産共有(教科書第Ⅱ部第3章4)
  • 22回目Session 22
    遺産分割の方法と手続き、遺産分割の効力(教科書第Ⅱ部第4章)
  • 23回目Session 23
    相続の承認と放棄、単純承認・限定承認・相続放棄(教科書第Ⅱ部第5章)
  • 24回目Session 24
    財産分離制度、相続財産の清算、相続人不存在と特別縁故者制度(教科書第Ⅱ部第6章)
  • 25回目Session 25
    遺言の意義と方式、自筆証書遺言・公正証書遺言・秘密証書遺言など(教科書第Ⅱ部第7章1・2)
  • 26回目Session 26
    遺言の効力、特定財産承継遺言の意義、遺贈の効力、遺言執行者の職務(教科書第Ⅱ部第7章3)
  • 27回目Session 27
    遺留分制度の改正、遺留分侵害額請求権(教科書第Ⅱ部第8章)
  • 28回目Session 28
    これからの家族法

教科書・テキストTextbooks

 とりあえず、教科書として、柳勝司編『家族法(スタンダール民法シリーズⅴ)第4版』(嵯峨野書院)を指定しており、大学生協で購入できます。他の教科書を使用してもかまいませんが、必ず、自分で使用する教科書を用意してください。
 家族法についてより詳しく学びたい人には、二宮周平『家族法(第5版)』(新世社)、窪田充見『家族法(第4版)』(有斐閣)をすすめます。
 また、ポケット六法など、六法も必ず用意してください。

参考書等References

 授業の際に取り上げる判例の学習のために、判例集を活用してください。『民法判例百選Ⅲ親族・相続(第2版)』(有斐閣)、『判例プラクティス民法Ⅲ』(信山社)、『新・判例ハンドブック親族・相続』(日本評論社)などがありますので、図書館等で参照してください。
 必要に応じて、適宜、参考文献を指示します。

課題の種類・内容Homework, Assignments, etc.

 毎回の授業終了後に、復習問題に取り組んでください。復習問題は、〇×問題、事例問題、自分で調べてみる問題からなります。
 問題はMoodleにアップします。各自自主的に取り組んでください。

課題に対するフィードバックの方法Feedback Method

 復習問題の解説はMoodleにアップします。
 問題や解説に質問がある人は教員宛にメールしてください。また、個々の質問に解答するとともに、質問項目をまとめて、Moodleにもアップしますので、参考にしてください。

成績評価の方法・基準Evaluation Criteria/Method

 14回目の授業が終了した後に出す試験形式のレポート(配点40点)の成績と期末試験(配点60点)の成績で評価します。
 レポートは、〇×問題(20点)と論述問題(20点)です。期末試験は、〇×問題(20点)と論述問題(40点)で出題します。論述問題については、問題点の把握、判例・学説の理解、論述の論理性・整合性に特に重点を置いて採点します。
 レポートおよび期末試験の際には、教科書、六法、自分で作成したノート、配布レジュメのプリントは使用できます。教科書および六法への書き込みもかまいません。
 新型コロナウイルス感染の状況によっては、通常の形式で試験を実施することができないことがあります。その場合には、レポートに代えます。

履修上の注意Other Course Information

 授業の際には、レジュメを使用します。あらかじめMoodleniあっぷしますが、念のため、授業の際にも配布します。後日、あらためて配布することはしませんので、注意してください。質問がある方は、教員研究室に来るか、メール(miyazaki@seinan-gu.ac.jp)で問い合わせてください。
 授業の際には、携帯電話・スマートフォンなどの使用した通話やメールは厳禁です。また、授業中の教室への出入りは他の受講生の邪魔になりますからやむを得ない場合以外は避けてください。
 なお、新型コロナウイルス感染防止対策のため、大学の方針により対面授業が困難となって遠隔授業となることもあります。