シラバス - 英語文学講読C(1)

  • ナンバリングコードCode
  • 科目名Subject Name
    英語文学講読C(1)
  • 担当者名Instructor
    宮本 敬子
  • 単位Credit
    2
  • 履修年次Standard Year for Registration
    2-4
  • 学期Semester
    前期
  • クラスClass
  • 曜限Day/Period
    月曜2時限
  • 教室Classroom
    4-102
  • 備考Remarks
    英語圏文学B(北アメリカ)(1)

    使用言語:日本語
  • 実務経験のある教員等による授業科目Taught by instructor(s) with practical experience

授業の到達目標Objectives to be Attained

この授業では、英語圏文学のうち北アメリカの文学を学ぶことを通して、次の3つのことを目指す。
1)英語表現について理解し、個別の作品を正確に読みこなす英語読解力を身につける。
2)文学を理解するための基礎となる分析技術および文学解釈へのアプローチを学ぶ。
3)文学作品にみる社会的、文化的、歴史的背景への理解を深める。

授業の概要Method of Instruction

授業では、北アメリカの英語文学をとりあげ、毎回テキストの指定範囲を精読し、作品における英語表現を正確に読み解く演習を行う。さらに、講義や実践を通して、作品の主題、文体、様式、語り手や登場人物の設定、プロット、作品構造などを分析する力を養う。文学作品への理解を深めると共に、作品に表された英語が使われている国や地域における文化、社会、思想、歴史的背景についても考察していく。

事前・事後学習、時間等Study Required outside Class(Preparation, etc.)

現代アメリカを代表する作家トニ・モリスン (Toni Morrison) の The Bluest Eye (1970) をテキストに、一回に7〜12ページ読む。少なくとも前半は精読し、後半はパラグラフリーディングを行い、大切なところを詳しく解説するという形で授業を進めるので、事前学習としては、少なくとも前半は丁寧に精読し、後半はポイントを考えながら読んでくる。事後学習においては、インターテキストとしての映画、絵画、歴史、哲学などについて各自の関心に応じて調べてみる。

授業計画(各回の授業内容)Course Outline

  • 1回目Session 1
    北アメリカにおける英語文学の特徴:語り手、登場人物、地域、時代設定を理解する
  • 2回目Session 2
    英語表現の文脈に即した読解をする
  • 3回目Session 3
    英語表現の文法的構造を把握する
  • 4回目Session 4
    英語表現のレトリックを理解する
  • 5回目Session 5
    文学作品の文体を理解する
  • 6回目Session 6
    文学作品にみる人物造形を考える
  • 7回目Session 7
    文学作品にみるテーマ設定を考える
  • 8回目Session 8
    文学作品にみる歴史的・社会的背景を理解する
  • 9回目Session 9
    文学作品にみる文化的・思想的背景を理解する
  • 10回目Session 10
    文学作品の分析に基づいた読解の方法
  • 11回目Session 11
    代表的文学テキストへのさまざまなアプローチ:文体・構造を考える
  • 12回目Session 12
    代表的文学テキストへのさまざまなアプローチ:歴史的・文化的背景を考える
  • 13回目Session 13
    代表的文学テキストへのさまざまなアプローチ:思想・イデオロギーを考える
  • 14回目Session 14
    北アメリカにおける代表的英語文学の生成と社会・文化の発展

教科書・テキストTextbooks

教科書購入については第1回目の授業で説明する。。

参考書等References

トニ・モリスン (大社淑子訳) 『青い目が欲しい』(ハヤカワepi文庫)。その他、授業で適宜紹介する。

課題の種類・内容Homework, Assignments, etc.

この小説は、1940年- 41年のオハイオ州ロレインを舞台に、黒人貧困家庭の少女ピコーラの悲劇—白人優先社会の価値基準の無自覚な内面化によって、破滅に追いやられていく人生—を、中流家庭の同年代の黒人少女クローデイアが語るという設定になっている。家庭の崩壊、人種差別と共同体、性と暴力、成長(通過儀礼)物語と女性による語り、などのテーマがどのように展開していくのかに注目する。視覚文化の圧倒的体制を人種的抑圧の場として認識し、それへの抵抗を追求してきたトニ・モリスンの想像力を読み解くと同時に、アフリカ系アメリカ人の歴史や文化に対する理解を深め、現代アメリカが今なお抱える人種問題について考察していく。毎週、授業前に内容確認の簡単な小テスト、授業後に内容に関するコメント提出がある。

課題に対するフィードバックの方法Feedback Method

Moodleを通して行う。

成績評価の方法・基準Evaluation Criteria/Method

授業での発表状況(20%)、レポート(20%)、定期試験(60%)等を総合評価する。

履修上の注意Other Course Information