シラバス - 哲学(2)
-
- ナンバリングコードCode
-
- 担当者名Instructor
- 円谷 裕二
-
- 単位Credit
- 4
-
- 履修年次Standard Year for Registration
- 1-4
-
- 学期Semester
- 通年
-
- クラスClass
-
- 曜限Day/Period
- 水曜3時限
-
- 教室Classroom
- ダミー教室
-
- 備考Remarks
- 哲学A(2)
使用言語:日本語
-
- 実務経験のある教員等による授業科目Taught by instructor(s) with practical experience
授業の到達目標Objectives to be Attained
ハンナ・アーレント(1906-1975)の哲学を手がかりにしながら、現代哲学のさまざまな問題に接近するのが授業の目的である。彼女の哲学は政治哲学と呼ばれるが、その場合の「政治」とは、同時に、単に動物として生存することではなく、人間が「よく生きる」とはどういうことなのかという問題に関わっている。
本授業では、単に社会科学の一分野としての政治哲学ではなくて、私たちが社会の中で生きるとはどのようなことなのか、という人間の生の問題としての政治哲学について考える。古代ギリシアのアリストテレスは「人間は、本性的に、政治的動物である」と語っているように、政治的存在であることが人間の本質をなしている。他者との共同存在としての人間の生にとっての基本テーマは、自由・平等・人権・正義などである。人間の生を考えることはこれらのテーマを考えることにほかならない。
授業の概要Course Overview
人間のよき生を考察するにあたってアーレントは、理論と実践の関係を論じたり、伝統的な倫理学とは異なる新たな行為論を展開したり、あるいは、人間の生や政治の核心である「自由」についての独自の見解を提示している。自由・平等・人権・正義といったテーマが現代社会においてどのような問題を含んでいるのかを、古代ギリシアから現代に至る哲学者や政治思想家たちの見解を踏まえながら考察する。これらの問題はまた、現代に生きる私たちにとって哲学と政治がどのように関わっているのかという問題でもある。
事前・事後学習、時間等Study Required outside Class(Preparation, etc.)
事前学習としては、前回の授業の内容をよく復習しておく必要がある。また事後学習としては、授業で指示した参考書を読んでみるなどして授業内容のさらなる自習が望ましい。しかし最も基本的なこととしては、本授業で論じるハンナ・アーレント自身の著作のいくつかを直接読んでみることである。
授業計画(各回の授業内容)Course Outline
-
- 1回目Session 1
- オリエンテーション—哲学とは何か
-
- 2回目Session 2
- ハンナ・アーレントの生涯
-
- 3回目Session 3
- ハンナ・アーレントの著作とその解題
-
- 4回目Session 4
- 哲学と政治
-
- 5回目Session 5
- 国家とその起源
-
- 6回目Session 6
- 政治哲学のいくつかの問題例
-
- 7回目Session 7
- 真理の相対主義と人間性
-
- 8回目Session 8
- 世界への愛と世界疎外
-
- 9回目Session 9
- 近代の人権思想への批判
-
- 10回目Session 10
- 本質主義と歴史主義との対立
-
- 11回目Session 11
- 複数主義と多様性
-
- 12回目Session 12
- 真理の一義性と意見の多様性
-
- 13回目Session 13
- 自由とは何か(1)
-
- 14回目Session 14
- 自由とは何か(2)
教科書・テキストTextbooks
授業の中で示す予定である。
参考書等References
授業の中で示す。
課題の種類・内容Homework, Assignments, etc.
授業に関する数回のコメントカードの提出を課する。学期末にはレポートを提出してもらう。
課題に対するフィードバックの方法Feedback Method
各授業の後に質問などを受け付ける。
成績評価の方法・規準Evaluation Criteria/Method
平常点(数回のコメントカード30%)および学期末のレポート(70%)に基づいて行う。
履修上の注意Other Course Information
特にない。