シラバス - 刑事手続法(刑事訴訟法)(2)

  • ナンバリングコードCode
  • 科目名Subject Name
    刑事手続法(刑事訴訟法)(2)
  • 担当者名Instructor
    小山 雅亀
  • 単位Credit
    4
  • 履修年次Standard Year for Registration
    3-4
  • 学期Semester
    前期
  • クラスClass
  • 曜限Day/Period
    木曜2時限/月曜2時限
  • 教室Classroom
    2-501
  • 備考Remarks
    使用言語:日本語
  • 実務経験のある教員等による授業科目Taught by instructor(s) with practical experience

授業の到達目標Objectives to be Attained

【授業の到達目標及びテーマ】
 主として法務コースに進もうとする学生に対して、専門教育の基礎力を養成することを目標とする。なお、本講義は上記の目標に沿うものであるから、

授業の概要Method of Instruction

【授業の概要】
 一般に刑事手続は、犯罪の発覚、捜査機関による犯人および証拠の収集・保全(捜査)、検察官による裁判所の審判を求める意思表示(公訴)、当事者−−検察官と被告人・弁護人−−による犯罪の存否・責任の程度についての主張・立証(公判手続)という順序で進行して行き、最後に裁判所は公判での当事者の主張・立証に基づいて有罪・無罪を判断し、有罪の場合には刑罰を言い渡すことになる(判決)。本講義でも、基本的にこのような刑事手続の流れに従い、捜査から順に解説して行く予定である。

事前・事後学習、時間等Study Required outside Class(Preparation, etc.)

 法の専門家としての進路に進もうとする者を対象とする講義であるから、詳細は講義中に指示するが、配布する資料(主として重要と思われる判例及び解説)について、とくに事後学習が求められる。
下記の【各回ごとの授業内容】に記載されているもの以外にも、各授業終了時点において次回の授業までに参照しておくべき課題を示すので、その指示に従うこと。
各回の講義の目的・内容は以下の通りであるが、これは予定であり、講義の進行に伴い変更することがあるので、講義の際の指示に注意すること。


授業計画(各回の授業内容)Course Outline

  • 1回目Session 1
    はじめに:刑事裁判の歴史と刑事手続き全体のアウトラインを理解することを目的とする。
  • 2回目Session 2
    捜査概論:捜査機関および捜査の端緒について理解することを目的とする。
  • 3回目Session 3
    強制捜査概論(1):強制捜査と任意捜査との区分および区分される理由を理解することを目的とする。
  • 4回目Session 4
    強制捜査概論(2):強制捜査と任意捜査との区分が実際にどのような帰結となるのかを理解することを目的とする。
  • 5回目Session 5
    強制捜査各論(1)逮捕①:「逮捕」という強制捜査の概略を理解することを目的とする。
  • 6回目Session 6
    強制捜査各論(2)逮捕②:3種類の逮捕の具体的内容について理解することを目的とする。
  • 7回目Session 7
    強制捜査各論(3)勾留①:「勾留」という強制捜査の概略を理解することを目的とする。
  • 8回目Session 8
    強制捜査各論(4)逮捕・勾留をめぐる問題:逮捕・勾留に伴う具体的な問題について理解できることを目的とする。
  • 9回目Session 9
    強制捜査各論(5)対物的強制処分①:令状による物に対する強制処分の概略を理解することを目的とする。
  • 10回目Session 10
    強制捜査各論(6)対物的強制処分②:強制採尿に伴う問題を理解することを目的とする。
  • 11回目Session 11
    強制捜査各論(7)令状によらない強制処分:逮捕に伴う令状によらない対物的強制処分を理解することを目的とする。
  • 12回目Session 12
    強制捜査各論(8)これまで取り上げてこなかった強制処分、とくに通信傍受やGPS捜査という制度について理解することを目的とする。
  • 13回目Session 13
    被疑者の防御(1)弁護人制度を中心とする被疑者の防御権の概要を理解することを目的とする。
  • 14回目Session 14
    被疑者の防御(2):接見交通権をめぐる問題を理解することを目的とする。
  • 15回目Session 15
    公訴概論:公訴制度および不当不起訴抑制のための制度の理解を目的とする。
  • 16回目Session 16
    公訴各論(1):公訴提起の方式(起訴状)を理解することを目的とする。
  • 17回目Session 17
    公訴各論(2):起訴状一本主義について理解することを目的とする。
  • 18回目Session 18
    公訴各論(3):一罪の一部起訴及び公訴時効制度について理解することを目的とする。
  • 19回目Session 19
    公判の準備:公判のための準備活動とくに公判前整理手続きを理解することを目的とする。
  • 20回目Session 20
    公判概論:公判手続の概要について理解することを目的とする。
  • 21回目Session 21
    公判各論(1):証拠調べ手続について理解することを目的とする。
  • 22回目Session 22
    公判各論(2):訴因変更制度の概略を理解することを目的とする。
  • 23回目Session 23
    公判各論(3):公判手続のその他の問題を理解することを目的とする。
  • 24回目Session 24
    公判各論(4):裁判員制度について理解することを目的とする。
  • 25回目Session 25
    証拠法概論:証拠法の概略を理解することを目的とする。
  • 26回目Session 26
    証拠法各論(1):伝聞法則①:伝聞証拠の概略を理解することを目的とする。
  • 27回目Session 27
    証拠法各論(2):伝聞法則②:伝聞例外の概略を理解することを目的とする。
  • 28回目Session 28
    証拠法各論(3):自白①:自白の証拠能力について理解することを目的とする。
  • 29回目Session 29
    証拠法各論(4)自白②:自白の補強法則について理解することを目的とする。
  • 30回目Session 30
    まとめ:裁判と上訴について概観するとともに、これまでの講義全体を振り返り、我が国の刑事裁判の全体像を理解することを目的とする。

教科書・テキストTextbooks

三井誠=酒巻匡『入門刑事手続法〔第8版〕』(有斐閣、2020年)
ただし、上記のテキストは現時点で入手可能なものをあげているもので、(法律自体に変更が加えられていることもあり)講義開始時点より前に新版が出されれば、その最新版を指定する。

参考書等References

できる限り資料はコピ−で補充するつもりであるが、講義時間中に指示する可能性もある。
予習・復習に際して、基本的に参照して欲しい文献として、ジュリスト別冊『刑事訴訟法判例百選[第10版]』(有斐閣)。ただし、新版が出版されればそちらによる。そして、変更点は授業開始時より前に指示する。

課題の種類・内容Homework, Assignments, etc.

講義で得た情報を踏まえて、刑事裁判を傍聴してそれを理解できること。

課題に対するフィードバックの方法Feedback Method

実際の刑事裁判を傍聴して、講義で得た知識を踏まえてレポート(2000〜3000字程度)の作成が求められる。

成績評価の方法・基準Evaluation Criteria/Method

成績は、期末試験、刑事裁判を傍聴してのレポート、出席点および小テストの総計による。その内訳は、期末試験50点、レポート25点、出席点および授業中に実施する小テストで25点をめどとする。

履修上の注意Other Course Information

テキストからはみ出すことも多々あり(刑事手続は日々動いているし、テキストのみで全体を理解するのは困難である)、また、講義中に指示をすることもあるので、講義理解のためには出席が必要である。実際の警察の活動を理解するためには、「警察活動の理論と実務」という講義を同時に受講することが望ましい。なお、遅刻は厳禁とする(出席カードは授業開始時に配布することがある)。