シラバス - 国際私法I(総論・家族法)

  • 科目名Subject Name
    国際私法I(総論・家族法)
  • 担当者名Instructor
    釜谷 真史
  • 単位Credit
    4
  • 履修年次Standard Year for Registration
    2-4/3-4
  • 学期Term
    前期
  • クラスClass
  • 曜限Day/Period
    木曜1時限/月曜1時限
  • 教室Classroom
    4-102/ダミー教室
  • 備考Notice
    国際私法

    使用言語:日本語
  • 実務経験のある教員等による授業科目Taught by instructor(s) with practical experience

授業の到達目標Objectives to be Attained

  本講義のテーマは、国際私法総論および国際家族法です。国際家族法の分野に重点を置きつつ「国際私法」についての基礎的・全般的知識を概観することで、①「国際私法」という法分野の必要性や全体構造を理解し、②国際私法各論のうち、家族法分野(国際家族法)についての具体的な典型事例において解決の基準を導けるようになることを到達目標としています。
  具体的には、国際的な私人間の民事紛争、たとえば
 「外国で結婚した日本人歌手は、日本で婚姻届を出さない限り結婚していることにはならないのか?」
 「日本人が、代理母出産を有効とする州でアメリカ人と代理母契約を結び子が生まれたが、代理母出産が法的に禁じられている日本において、この日本人依頼者と子との間に親子関係が生じることになるのか?」
 「国際結婚したカップルが離婚することになったが、子の親権は日本のように父か母のいずれかだけが持つことになるのか、それとも父母が共同でもつことになるのか?」
 「韓国人が日本に不動産を遺して死亡した後に相続問題が持ち上がったが、相続分の算定はどこの国の法が基準になるのか?」
  といったケースにつき、どこの国の法(準拠法)を適用すべきかを、現行法に基づき筋道立てて説明できるようになりましょう。

授業の概要Method of Instruction

(1)最初に、①「国際私法序論」として、「国際関係法入門」でも触れた国際私法の典型的問題を通じ国際私法の必要性を確認したうえで、日本が国際私法をどのように規定し、どのように準拠法を決定することにしているのかという、国際私法の基礎を押さえます。
  そのうえで、②「国際私法各論(家族法)」として、国際的な家族関係をめぐる問題(婚姻、実親子関係、養親子関係、後見・失踪宣告、相続・遺言)について、準拠法決定の方法を詳しく学びます。③その後、「国際私法総論」として、準拠法決定の4プロセスを詳しく見ていくこととします。
(2)いずれの段階でも、具体的事例を多く織り込み(総論・各論それぞれの単元では「Caseシート」を用意しています)、また授業内でも受講生自身で作業する時間を確保し、また自学教材(Moodle内「ミニテスト」)を用意することで、受講する皆さんが実際に国際私法的問題を解決する力を付けられるように努めます。

事前・事後学習、時間等Study Required outside Class(Preparation, etc.)

(1)Moodleを利用して、授業に関する案内をメール送信し、レジュメ類を配信します。受講登録者には初回授業3日前までには初回授業案内をメール送信しますので、かならず確認し、レジュメ等のダウンロードを済ませておいてください。
(2)単元ごとに、次のサイクルで学習していきます。
【予習】①配布資料一式(レジュメ・資料・Caseシート当)をダウンロード・印刷する ②レジュメ(とくにCase)および教科書該当箇所に目を通す
【授業】レジュメやCaseシートの該当箇所を解き、答え合わせを行いつつ、聴講する。
【復習】①レジュメおよび教科書該当箇所を読み直し、補充する(とくにレジュメ内「確認問題」「Case」の解き直し)②Moodle内「ミニテスト」を解き、必要に応じレジュメ内に補充する
【単元ブロックテストの受験】授業内で実施される単元ブロックテストを受験する
 
 ※授業スケジュール(単元ブロック実施日)は授業初回に配布しますので、それを目安に地道に準備を進めましょう。
 ※原則として、
 ・各単元のレクチャーおよびミニテスト:オンデマンド(ナレーション付きPPTを動画にしたものをMoodleに置きます)とし、
 ・各単元の全体像やCase、わかりにくいポイントの解説、および単元末ブロックテスト:対面授業
で行うことを予定しています。Case新型コロナ感染状況に応じ修正していきますが、詳しくはMoodleから連絡しますので、SAINSメールをこまめにチェックするようお願いします。

授業計画(各回の授業内容)Class outline

  • 1回目Session 1
    序論(1) ガイダンス/国際私法の必要性
  • 2回目Session 2
    序論(2) 国際私法の方法(1)  *単元ブロックテスト
  • 3回目Session 3
    国際家族法(1)国際婚姻法アウトライン
  • 4回目Session 4
    国際家族法(2)婚姻の実質的成立要件
  • 5回目Session 5
    国際家族法(3)婚姻の形式的成立要件
  • 6回目Session 6
    国際家族法(4)婚姻の一般的効力
  • 7回目Session 7
    国際家族法(5)婚姻の財産的効力
  • 8回目Session 8
    国際家族法(6)離婚
  • 9回目Session 9
    国際家族法(7)婚姻類似の関係(事実婚/同性婚・パートナーシップ)*単元ブロックテスト
  • 10回目Session 10
    国際家族法(8)国際親子法アウトライン
  • 11回目Session 11
    国際家族法(9)実親子関係の成立(嫡出子)
  • 12回目Session 12
    国際家族法(10)実親子関係の成立(非嫡出子・準正)
  • 13回目Session 13
    国際家族法(11)養親子関係
  • 14回目Session 14
    国際家族法(12)親子関係と子の奪取  *単元ブロックテスト
  • 15回目Session 15
    国際家族法(13)自然人アウトライン
  • 16回目Session 16
    国際家族法(14)失踪宣告
  • 17回目Session 17
    国際家族法(15)後見開始の審判
  • 18回目Session 18
    国際家族法(16)年齢による行為能力制限
  • 19回目Session 19
    国際家族法(17)後見
  • 20回目Session 20
    国際家族法(18)相続            *単元ブロックテスト
  • 21回目Session 21
    序論(3)国際私法の目的
  • 22回目Session 22
    総論(1)第一プロセス:法性決定
  • 23回目Session 23
    総論(2)第一プロセス:先決問題
  • 24回目Session 24
    総論(5)第二プロセス:国籍法
  • 25回目Session 25
    総論(6)第二プロセス:重・無国籍者の本国法
  • 26回目Session 26
    総論(7)第二プロセス:常居所地法        *単元ブロックテスト
  • 27回目Session 27
    総論(8)第三プロセス:不統一法国
  • 28回目Session 28
    総論(9)第三プロセス:反致
  • 29回目Session 29
    総論(10)第四プロセス:公序       *単元ブロックテスト
  • 30回目Session 30
    まとめ       *単元ブロックテスト

教科書・テキストTextbooks

櫻田嘉章「国際私法[第7版]」(有斐閣Sシリーズ)
櫻田嘉章ほか「国際私法CASE30」(有斐閣)

参考書等References

(1)櫻田嘉章=道垣内正人編「国際私法判例百選[第二版]」(有斐閣)
(2)中西康ほか「国際私法」(有斐閣 LEGAL QUESTシリーズ)

課題の種類・内容Homework, Exercises, etc.

・授業を聴講したうえで、Moodle内「ミニテスト」「単元ブロックテスト」に取り組む

課題に対するフィードバックの方法Feedback Method

・ミニテストに関してはMoodle内で評価、解説します。
・「Caseシート」に関しては授業内で解説を行います。

成績評価の方法・基準Evaluation Criteria/Method

・「単元ブロックテスト」(50%)
・「ミニテスト」やアンケート等への取り組み状況(50%)
を合算して評価します。

履修上の注意Other Comments

(1)こつこつ取り組みましょう: 国際私法は他の法律科目以上に抽象度が高く、独学が難しい科目といわれます。「一気にまとめて、単元ブロックテストをこなそう」というのはあまりに無謀です。1限ということで大変だと思いますが、一緒に頑張りましょう。

(2)法律学科の皆さんも歓迎します: 「国際」という名が付いていますが、国際法よりは民法・商法・民事手続法より近い法分野であり、司法試験の選択科目にもなっています(「国際関係法(私法系)」)。国関法の皆さんはもちろん、法律学科の皆さんもぜひ受講してください。法曹や公務員志望者の受講も強くお勧めします。

(3)他の関連科目の履修の勧め
1)他の国際私法関連科目との関係:「国際私法Ⅱ(財産法)」「国際取引法」「国際民事手続法」もぜひ一緒に(または今後)受講して、国際私法に関する知識を深めてください。
特に、「国際私法Ⅱ(財産法)」(後期)では、国際私法各論のうち、本講義で扱うことのできない、国際契約や国際不法行為といった財産法分野を取り扱いますので、ぜひ「国際私法Ⅰ」「国際私法Ⅱ」をセットで受講して下さい。
 ※「国際私法Ⅱ」は「国際私法Ⅰ」の履修者のみ登録可能ですのでご注意ください。
2)民法科目との関係: 昨年度から「国際私法Ⅰ」は2年次から受講可能となっています。内容的に、民法、とくに「家族法」「総則」の履修後のほうが望ましいのですが、履修制限はつけません。各単元ごとに簡単に民法のミニ・レクチャーは行いますが、「国際私法Ⅰ」を先に履修する場合も、履修後に(あるいは同時に)ぜひ民法も履修してみてください。より理解が深まり興味も沸き、法律学習の面白さを感じてもらえることと思います。