シラバス - 経済数学II
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- ナンバリングコードCode
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- 科目名Subject Name
- 経済数学II
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- 担当者名Instructor
- 市東 亘
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- 単位Credit
- 4
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- 履修年次Standard Year for Registration
- 2-4
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- 学期Semester
- 前期
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- クラスClass
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- 曜限Day/Period
- 金曜1時限/火曜3時限
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- 教室Classroom
- 4-203
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- 備考Remarks
- 使用言語:日本語
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- 実務経験のある教員等による授業科目Taught by instructor(s) with practical experience
授業の到達目標Objectives to be Attained
本講義では,経済分析に必要な数学の習得と,学んだ数学テクニックを用いて,実際の経済分析を数学的に行えるようになることを目指します.本講義を終了すれば,以下のスキルを身につけることが出来ます.
(1)行列代数,微分法,最適化問題の3分野を習得.
(2)ミクロ・マクロ経済学に出てくる比較静学分析を,数学を用いて行うことが出来るようになる.
(3)ミクロ・マクロ経済学のテキストで,数学を用いずグラフだけで行った分析への理解が深まる.
(4)計量経済学で必要になる線形代数を習得できる.
この講義で学ぶ数学は,行列代数,微分法,最適化問題の大きく3つにまとめることが出来ます.この講義は経済数学の講義ですから,これらの数学を断片的に理解していても意味がありません.学んだ数学を組み合わせながら経済分析に応用してこそ意味があります.最終的には,学んだ内容を総動員して経済分析を行うので,どの回の講義内容もよく理解し習得しておく必要があります.予習はもちろんのこと,復習を欠かさず行なって下さい.
授業の概要Method of Instruction
本講義では,経済分析を数学的に行なえるようになるための実践的な数学テクニックを初学者を対象に基礎から学習します.基本から講義しますが,最終的には経済分析を数学的に行なえるレベルまで到達することを目標としますので,授業についてくるには皆さんの継続的な努力が必要です.具体的には2つの数学的分析が出来るようになることを目標とします.まず,ミクロ経済学やマクロ経済学で学ぶグラフを用いた分析(比較静学)を数式を用いて行なえるようになることを目指します.
通常,学部レベルのミクロ経済学やマクロ経済学では数式を用いずグラフを用いることによって経済政策の効果を分析しますが,2次元平面上のグラフを用いる場合,同時に描写することができるのは2変数の関係のみに制限されてしまいます.一方,マクロ経済学では,複数の市場の均衡を同時に分析するため,幾つものグラフを同時に考慮する必要があります.数学を用いると,2変数以上で構成されるモデルも容易に分析可能となります.この分析に必要な数学は線形代数(行列)と微分です.微分は高校の数学IIや,本学の「数学I」の講義で学んでいる学生もいますが,未受講の学生や高校の数学を完全に忘れてしまった学生を前提に,もう一度基礎から講義します.線形代数は高校では学ばないので,当然これも基礎から講義します.
2つ目の目標は,ミクロ経済学の消費者行動理論や企業行動理論に出てくる効用最大化問題や利潤最大化問題といった最適化問題を数学的に解く方法を習得することです.ここでは微分を用いながら,予算制約などの制約式を伴う最適化問題を解く方法を学びます.
事前・事後学習、時間等Study Required outside Class(Preparation, etc.)
テキストの練習問題と章末問題から毎回宿題を出します.宿題の提出をもって出席点とします.講義ホームページ https://www.seinan-gu.ac.jp/~shito/courses/ にオンデマンド型の講義ビデオを公開しています.講義中に理解できなかった部分は,ビデオを見て復習して下さい.
授業計画(各回の授業内容)Course Outline
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- 1回目Session 1
- 経済分析の数学的アプローチ(テキスト第1・2章)
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- 2回目Session 2
- 経済分析の数学的アプローチ(テキスト第1・2章)
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- 3回目Session 3
- 経済学における均衡分析(テキスト第3章)
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- 4回目Session 4
- 経済学における均衡分析(テキスト第3章)
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- 5回目Session 5
- 線型モデルと行列代数I,行列計算の基礎(テキスト第4章)
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- 6回目Session 6
- 線型モデルと行列代数I,行列計算の基礎(テキスト第4章)
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- 7回目Session 7
- 線型モデルと行列代数I,行列計算の基礎(テキスト第4章)
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- 8回目Session 8
- 線型モデルと行列代数II,行列式,逆行列,経済モデルの静学分析(テキスト第5章)
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- 9回目Session 9
- 線型モデルと行列代数II,行列式,逆行列,経済モデルの静学分析(テキスト第5章)
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- 10回目Session 10
- 線型モデルと行列代数II,行列式,逆行列,経済モデルの静学分析(テキスト第5章)
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- 11回目Session 11
- 比較静学と導関数の概念(テキスト第6章)
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- 12回目Session 12
- 微分法と比較静学への応用(テキスト第7章)
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- 13回目Session 13
- 微分法と比較静学への応用(テキスト第7章)
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- 14回目Session 14
- 微分法と比較静学への応用(テキスト第7章)
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- 15回目Session 15
- 一般関数型モデルの比較静学分析(テキスト第8章)
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- 16回目Session 16
- 一般関数型モデルの比較静学分析(テキスト第8章)
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- 17回目Session 17
- 一般関数型モデルの比較静学分析(テキスト第8章)
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- 18回目Session 18
- 一般関数型モデルの比較静学分析(テキスト第8章)
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- 19回目Session 19
- 一般関数型モデルの比較静学分析(テキスト第8章)
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- 20回目Session 20
- 最適化問題(テキスト第9章)
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- 21回目Session 21
- 最適化問題(テキスト第9章)
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- 22回目Session 22
- 最適化問題(テキスト第9章)
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- 23回目Session 23
- 最適化問題(テキスト第9章)
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- 24回目Session 24
- 選択変数が2個以上の場合の最適化問題(テキスト第11章)
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- 25回目Session 25
- 選択変数が2個以上の場合の最適化問題(テキスト第11章)
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- 26回目Session 26
- 選択変数が2個以上の場合の最適化問題(テキスト第11章)
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- 27回目Session 27
- 制約付き最適化問題(テキスト第12章)
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- 28回目Session 28
- 制約付き最適化問題(テキスト第12章)
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- 29回目Session 29
- 制約付き最適化問題(テキスト第12章)
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- 30回目Session 30
- 期末試験
教科書・テキストTextbooks
『現代経済学の数学基礎(上)』A.C.チャン著,大住栄治訳,シーエーピー出版(1995年版.旧版になります.生協で入手できます).
参考書等References
なし.
課題の種類・内容Homework, Assignments, etc.
毎回の講義でテキストの練習問題を宿題に出します.
課題に対するフィードバックの方法Feedback Method
テキストの練習問題の取り組みを次回の講義でチェックし,宿題提出者には模範解答を配布します.
成績評価の方法・規準Evaluation Criteria/Method
宿題提出による出席点と期末試験の合計得点で評価します.基本的に宿題を提出していれば合格となります.
履修上の注意Other Course Information
配布資料などの詳細は,講義用ホームページ https://www.seinan-gu.ac.jp/~shito/courses/ の「経済数学II」のページを参照して下さい.
第1回講義から授業を行うので,このホームページから「第1章講義ノート」をプリントアウトして第1回目の講義に持参して下さい.
【向学相談について】
講義内容に関する質問については毎講義前後の休み時間に受け付けていますが,より発展した勉強をしたい学生や大学院進学に関する相談は「向学相談」として火曜日と木曜日に受け付けています.基本的にアポイントメントは要りませんが,講義や会議で席を外していることもありますのでメールでアポイントメントをとってから訪問したほうが確実です.