シラバス － 英米文学・文化研究C(2)

授業の到達目標Objectives to be Attained

Tim O'Brien の The Things They Carriedを読み、自分の得た情報を他人にいかに伝えるかについて考え、レポートを書く。オブライエンの小説は主にヴェトナム戦争をテーマにして、戦争に参加するアメリカの若者の心理を、それを経験したことのない読者にもよく伝わるように描き出している。この小説が読者に伝えようとしている内容としては、特に、アメリカ市民として、自国が行っている戦争とどう向き合うか、そしてまた、自分が経験した戦争をどのように伝えるか、といった問題に重点が置かれている。この作品を読むことで、20世紀のアメリカの社会的、歴史的背景とともに文学を理解し、さらに、現在の我々の問題として、自分の持つ情報をいかにして伝えるかを考察してみたい。

授業の概要Method of Instruction

ティム・オブライエンは1968年に大学を卒業後、陸軍に入隊し、ベトナムに送られたのち、1969年から1970年にかけて歩兵として戦闘に参加した経験を持っており、その経験もこの小説に描かれる核戦争への恐怖のリアリティを支える要素となっているだろう。授業では冷戦と核戦争、また、アメリカがヴェトナム戦争に至る歴史的経緯も解説した上で原文を読み、オブライエンが作家として戦争のの恐怖を描きながら何を伝えたかったかを読み取ることにする。

事前・事後学習、時間等Study Required outside Class(Preparation, etc.)

各回に扱うテキストの該当ページを、授業前に必ず読み、内容の理解に努め、ノートにまとめる。授業後は指導された内容とディスカッションの内容をもとにさらに作品内容についての考察を深め、作品レポートへと発展させる。

授業計画(各回の授業内容)Course Outline

• 1回目Session 1

  Introduction

• 2回目Session 2

  The Things They Carried

• 3回目Session 3

  Love

• 4回目Session 4

  Spin

• 5回目Session 5

  On the Rainy River

• 6回目Session 6

  Enemies

• 7回目Session 7

  Friends

• 8回目Session 8

  How to Tell a True War Story

• 9回目Session 9

  The Dentist

• 10回目Session 10

  Sweetheart of the Song Tra Bong

• 11回目Session 11

  Stockings

• 12回目Session 12

  Church

• 13回目Session 13

  The Man I Killed

• 14回目Session 14

  Ambush

• 15回目Session 15

  Style

• 16回目Session 16

  Speaking of Courage

• 17回目Session 17

  Notes

• 18回目Session 18

  In the Field

• 19回目Session 19

  Good Form

• 20回目Session 20

  Field Trip

• 21回目Session 21

  The Ghost Soldiers

• 22回目Session 22

  Night Life

• 23回目Session 23

  The Lives of the Dead

• 24回目Session 24

  資本主義と共産主義

• 25回目Session 25

  冷戦とイデオロギー

• 26回目Session 26

  ヴェトナムと代理戦争

• 27回目Session 27

  ヴェトナム戦争とジャーナリズム

• 28回目Session 28

  ヴェトナム戦争の傷跡とヴェトナムの人々

• 29回目Session 29

  ヴェトナム戦争に参加した若者たち

• 30回目Session 30

  まとめ：戦争と情報

教科書・テキストTextbooks

Tim O'Brien. The Things They Carried (Mariner Books)

参考書等References

授業中に適宜紹介する

課題の種類・内容Homework, Assignments, etc.

レポート

課題に対するフィードバックの方法Feedback Method

教員よりコメント

成績評価の方法・基準Evaluation Criteria/Method

試験は行わず、期末に作品についてのレポート(60％)を提出してもらう。出席（10％）、授業中の発表とノート点検(30％)とあわせて総合的に評価を行う。

履修上の注意Other Course Information

出席回数の３分の１以上を欠席した場合は単位を得ることが出来ない。また、遅刻３回で欠席１回扱いとする。