シラバス - 演習A(1)

  • ナンバリングコードCode
  • 科目名Subject Name
    演習A(1)
  • 担当者名Instructor
    片山 寛
  • 単位Credit
    2
  • 履修年次Standard Year for Registration
    1-4/3-4
  • 学期Semester
    前期
  • クラスClass
  • 曜限Day/Period
    月曜3時限
  • 教室Classroom
    1-706
  • 備考Remarks
    使用言語:日本語
  • 実務経験のある教員等による授業科目Taught by instructor(s) with practical experience

授業の到達目標Objectives to be Attained

 中世ヨーロッパの歴史を、特に「正統と異端」という観点から批判的に学ぶ。中世は全体としては安定した平和な時代だったと思われるのだが、いくつかの点に致命的な欠点があって、それがこの時代を暗いものにしていたことは否定できない。そのひとつは、病気に対する致命的な無知、ひとつは身分制の矛盾としてのユダヤ人差別、そして三つめがこの「正統と異端」の問題である。この問題は、現代社会の欠点を考える上でも、重要である。

授業の概要Method of Instruction

 テキスト『中世の異端者たち』の講読という形式をとる。

事前・事後学習、時間等Study Required outside Class(Preparation, etc.)

事前 自分の発表のときはその準備、発表でないときは発表者への質問の用意。
事後 その回の授業をふりかえって、次回の最初に質問をすること。

授業計画(各回の授業内容)Course Outline

  • 1回目Session 1
    中世ヨーロッパとは何か(講義)
  • 2回目Session 2
    序論「異端の問題とは何か」
  • 3回目Session 3
    「古代から初期中世の異端」    ①アリウス派
  • 4回目Session 4
                     ②ドナートゥス派
  • 5回目Session 5
                     ③初期中世の異端
  • 6回目Session 6
    「教会改革からヴァルド派へ」   ①グレゴリウス改革
  • 7回目Session 7
                     ②12世紀前半の異端者たち
  • 8回目Session 8
                     ③ヴァルド派の起源
  • 9回目Session 9
                     ④ヴァルド派の教義 ⑤教会の対応
  • 10回目Session 10
    「カタリ派」           ①二元論の伝統
  • 11回目Session 11
                     ②カタリ派の出現と変容
  • 12回目Session 12
                     ③教義と組織 ④教会の対応
  • 13回目Session 13
                     ⑤アルビジョア十字軍
  • 14回目Session 14
                     ⑥異端審問の起源
  • 15回目Session 15
                     ⑦異端審問の方法 ⑧判決と刑罰

教科書・テキストTextbooks

甚野尚志『中世の異端者たち』山川出版社1996年

参考書等References

堀越孝一編『新書ヨーロッパ史 中世篇』講談社現代新書
J・ホイジンガ『中世の秋』上・下 中公文庫

課題の種類・内容Homework, Assignments, etc.

 この演習は、基本的には卒業論文のための研究を含むものである。それゆえその途上での中間発表をしてもらいながらすすめる。
 卒業論文が片山以外の教員の場合は、「中世の異端者たち」の中のテーマを主題として、研究レポートを書いてもらう。

課題に対するフィードバックの方法Feedback Method

 中間発表への助言、相互批判。研究レポートへの助言、相互批判。

成績評価の方法・基準Evaluation Criteria/Method

 授業中に何度か、担当箇所を発表する。その発表70点。授業への参加態度30点。

履修上の注意Other Course Information

 半期だけの受講は原則として認めない。特に後期は、前期の学びを前提する。