シラバス - 実践神学概論A

  • ナンバリングコードCode
  • 科目名Subject Name
    実践神学概論A
  • 担当者名Instructor
    才藤 千津子(実務家)
  • 単位Credit
    2
  • 履修年次Standard Year for Registration
    1-4/2-4
  • 学期Semester
    前期
  • クラスClass
  • 曜限Day/Period
    月曜3時限
  • 教室Classroom
    2-605
  • 備考Remarks
    使用言語:日本語
  • 実務経験のある教員等による授業科目Taught by instructor(s) with practical experience

授業の到達目標Objectives to be Attained

実践神学は、イエス・キリストの教会の今日の世界における実践とその将来の展望について、神学的考察をする学問です。「実践神学概論A」では、実践神学のなかでも特に牧会学、キリスト教教育、キリスト教の霊性という領域の基礎を学びます。また、障がい者や心の病を持つ人々の問題、教会と暴力の問題、超高齢社会における終末期医療や看取りの問題など、現代日本におけるさまざまな問題の現状とその背景、今後の課題を学び、それらに対する教会のはたらきについて考察します。受講生がこれらの問題を理解し、教会のそれらへの取り組みについて考察を深めることがこの授業の目標です。

授業の概要Method of Instruction

今日の実践神学の諸領域とその課題、現代日本社会における教会の実践的課題について概観し、牧会学、キリスト教教育、キリスト教の霊性の基本を学びます。さらに、障がい者や心の病を持つ人々の問題、児童虐待やハラスメントなどの暴力の問題、超高齢化社会・多死社会における終末期医療や看取りの問題など、現代日本における具体的な問題とそれらに対する教会のはたらきについて検討します。
 授業は、各回の授業内容に沿って、スライドやプリントを使い、教員による講義と受講生による発表、全員でのディスカッションを交えながら授業を進めます。各講義の終了時には、出席カードの裏にコメント・質問を書いて提出してください。できるだけ受講生との対話ができるように工夫します。受講生は、毎回の授業テーマのなかから興味のあるものを選び、1回発表をすることが求められます。また中途での到達度を見るために、小レポート1回の提出を求めます。
 事前学習課題や授業の資料の閲覧、課題の提出などはMoodleを使ってできるようにします。必要に応じて映像資料を使用します。

事前・事後学習、時間等Study Required outside Class(Preparation, etc.)

本科目は講義科目です。授業各回に以下のように0.5コマ相当の自主学習が求められます。
1.次の授業での討論のためのリーディング課題や発表の課題を出すので、事前に準備してくること(8割)。
2.毎回の授業後、授業についての感想や質問などをMoodleで提出すること(2割)。

授業計画(各回の授業内容)Course Outline

  • 1回目Session 1
    オリエンテーション−実践神学とはどういうものか 
  • 2回目Session 2
    実践神学の領域、神学における実践神学の位置づけ 
  • 3回目Session 3
    今日の世界とキリスト教の実践的課題
  • 4回目Session 4
    ディアコニア論
  • 5回目Session 5
    障がい者と教会のはたらき 
  • 6回目Session 6
    心の病を持つ人々と教会のはたらき
  • 7回目Session 7
    超高齢社会、多死社会日本と教会のはたらき   
  • 8回目Session 8
    終末期ケア・看取りと教会のはたらき  
  • 9回目Session 9
    牧会をめぐる諸問題(1)エンディングノート
  • 10回目Session 10
    牧会をめぐる諸問題(2) 牧会カウンセリングとは
  • 11回目Session 11
    キリスト教教育をめぐる諸問題
  • 12回目Session 12
    子どもの人権・児童虐待と教会
  • 13回目Session 13
    教会と暴力(ハラスメントなど)
  • 14回目Session 14
    キリスト教の霊性とキリスト者の生活  
  • 15回目Session 15
    「わたし」の実践神学的課題(受講生各自発表) 

教科書・テキストTextbooks

神田健次・関田寛男・森野善右衛門編 『総説実践神学』日本基督教団出版局 1989年

参考書等References

神田健次・関田寛男・森野善右衛門編 『総説実践神学Ⅱ』 日本基督教団出版局 1993年
関田寛雄『「断片」の神学—実践神学の諸問題』 日本キリスト教団出版局 2005年
森野善右衛門『教会の告白と実践』新教出版社 1998年
ウィリアム・ウィリモン(越川弘英訳)『牧師—その神学と実践』 新教出版社 2007年
シュライアマハー(加藤常昭訳)『神学通論—1811年/1830年』教文館 2009年
D.ボンヘッファー(森野善右衛門訳)『共に生きる生活—改訂訳新版』新教出版社 2004年
K. バルト、井上良雄訳『教会—活ける主の活ける教団』新教出版社、1978年
工藤信夫 『これからのキリスト教—一精神科医の視点』いのちのことば社、2005年
ヘンリ・ナーウエン『イエスの御名で—聖書的リーダーシップを求めて』あめんどう、1993年
G. グティエレス、関望・山田経三訳『解放の神学』岩波書店、1985年
H. クレーマー、小林信雄訳『信徒の神学』新教出版社、1960年
S. ヒルトナー、西垣二一訳『牧会の神学—ミニストリーとシェパーディングの理論』聖文舎、1975年
トマス・ア・ケンピス(大沢章・呉茂一訳)『キリストにならいて』(岩波文庫)岩波書店、1960年
アリスター・マクグラス『信仰の旅路—たましいの故郷への道』いのちのことば社、2003年

以上の他、各回の授業のなかで適宜紹介します。

課題の種類・内容Homework, Assignments, etc.

・毎回、次の授業までに読んでくる資料や聖書箇所を指示します。それらを授業前に読み、疑問点や興味を持った点を整理して来てください。
・各講義後には、内容に関連したテーマに沿って、配付のミニレポート紙(あるいは出席カードの裏)に質問やコメントを書いて提出していただきます。
・発表にあたった学生は、事前に教員と話し合って発表の内容を決め、当日はその概要をまとめてレジュメにしてください。レジュメは、教員も含めて全員分コピーして用意してください。
・小レポートについては授業中に説明します。
・期末レポートは自由テーマでA42枚以上です。締切りについては授業中に説明します。

課題に対するフィードバックの方法Feedback Method

各講義後の皆さんのコメントは次の授業において教室でまとめて解説し、コメントを共有するようにします。

成績評価の方法・基準Evaluation Criteria/Method

期末試験に代わる期末レポート 40% 到達目標に関する知識や理解度により評価します。
平常点  60% 出席カードの質問やコメント30%、小レポート1回10%、発表1回20%により評価します。

履修上の注意Other Course Information

今日の日本社会および世界の状況と教会の課題について共に考えてゆきたいと思いますので、受講生の主体的な取り組みを期待します。人文コースの学生も十分に学びを深められるように授業を進めますので、人文コースの方も積極的に履修されることをお勧めします。